「当行は社長さんが自らの給料を返上しても、会社を黒字にする。
そんな社長と会社が好きなんです。日本の中小企業といっても、
結局は会社も社長のものなんです。経営者は個人の資産・収入まで
会社と同一くらいに考えたいです。」
3年前に大手の銀行員が言った言葉です。
「今月は、丁度儂の給料くらい赤字になりそうだ。」
気安さからついこぼした彼に返って来た言葉でした。
「冗談じゃあない。いくら自分の会社でも給料まで
会社につぎ込むことが出来るか。」
内心は大いに反対したものです。
しかしその言葉は強く彼に残りました。
「経営者に個人資産がある場合は、すべて明らかにして
銀行に交渉しなさい。お金を貸してくれますよ。」
商工会の講演で聞きました。
「社長が給料すら、ろくに貰っていない会社は多いですよ。
今時、満足に貰える会社は良いですよ。」
税理士の言葉です。
「お前なあ。本当にお金が無い時は、まず自分の給料返上から行くよ。
それが普通の社長ではないかな。
部下に給料を払わず自分だけが貰う事が出来る社長は先ず居ないよ。」
親友の言です。
「そうか不景気の時は、まず社長は給料を返上すべきか。」
おぼろげながらの彼の悟りでした。
そんな彼が給料を貰わない時が意外に早くやって来ました。
直前に得意先の倒産に会い、資金手当てが間に合わなかったのです。
彼の給料は工員4人分です。
何とか遅配も欠配も無く過ごせました。
そればかりでなく、赤字と思って居たその月の月次は、
人権費が少ないために黒字になって居たのです。
「給料返上は誰にも迷惑をかけずに、資金繰りを助け、
おまけに会社は黒字になる。しかも、儂はもっとやらねばと
云うファイトも沸いてくる。たまには給料の返上もすべきだな。」
普通給料の返上は資金状態が切羽詰まってやるものですが、
彼の場合は少し違っていたのです。
それから赤字になりそうな時や、資金が不足しそうな時は、
彼はむしろ積極的に給料の返上をするようになったのです。
しかしこれで済めばよいですが、彼だってそんなに給料を貰わないと
妻に文句を言われます。自分の小遣いも有りません。
たまりかねて、会社のお金を少し持ち出します。
その分、返上した給料を少し返して貰ったのでは、面子がありません。
事務員の「仮払いにして置きます。」の一言で仮払いになりました。
今まで社長でも、理由が無いと会社の金など個人で持ち出したことは
ありませんでしたが、こんなに簡単に持ち出せるとは知りませんでした。
それから清算をしない仮払金が増えてきたのです。
不景気が進みます。
彼は自分の持ち出し以外に、時にバッタで買う材料代すら仮払いにしたのです。
仮払金は物すごい勢いで増えました。
しかし彼の会社は万年黒字です。
仮払いが残ります。
時に「清算をしなければ」と、悩む彼を救う事態が起こりました。
税務署の監査が入ったのです。
「何か云われるな。どうしよう。」
と恐れおののいている彼に、税務署はがっちり仮払いの費目を調べながら
一言も云いませんでした。すんなり通ったのです。
おそらく今の処理の方が、税金は多かったのでしょう。
この事は彼を非常に勇気つけました。
「税務署だって認めたんだ。俺のやっていることは正しいんだ。」
しかし銀行は、違います。
1年目はまだ良かったですが、2年目になると首をかしげ、3年目になると
相手にもしなくなったのです。
もう貸してくれません。リスケに漸く応じてくれたくらいです。
実態を何度も聞かれましたが、その実態は彼にも分からなくなって居ました。
要は仮払いの分だけが赤字になる。その仮払いの中身は不詳と云うことです。
今の会社は本当に彼に給料を払うことが出来ない程、体力が落ちて居ました。
「われわれは、自分の収入が欲しいために必死になって働いているのですよ。
それが給料です。簡単にいじってはなりません。
最後の最後です。利益調整のためにやるなんて最低です。」
あの頃一人反対したコンサルタントを思い出します。
彼の会社の再建が始まります。
もし社長給料で操作を始めなければ、此処までの落ち込み名なかった様な気がします。
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そんな社長と会社が好きなんです。日本の中小企業といっても、
結局は会社も社長のものなんです。経営者は個人の資産・収入まで
会社と同一くらいに考えたいです。」
3年前に大手の銀行員が言った言葉です。
「今月は、丁度儂の給料くらい赤字になりそうだ。」
気安さからついこぼした彼に返って来た言葉でした。
「冗談じゃあない。いくら自分の会社でも給料まで
会社につぎ込むことが出来るか。」
内心は大いに反対したものです。
しかしその言葉は強く彼に残りました。
「経営者に個人資産がある場合は、すべて明らかにして
銀行に交渉しなさい。お金を貸してくれますよ。」
商工会の講演で聞きました。
「社長が給料すら、ろくに貰っていない会社は多いですよ。
今時、満足に貰える会社は良いですよ。」
税理士の言葉です。
「お前なあ。本当にお金が無い時は、まず自分の給料返上から行くよ。
それが普通の社長ではないかな。
部下に給料を払わず自分だけが貰う事が出来る社長は先ず居ないよ。」
親友の言です。
「そうか不景気の時は、まず社長は給料を返上すべきか。」
おぼろげながらの彼の悟りでした。
そんな彼が給料を貰わない時が意外に早くやって来ました。
直前に得意先の倒産に会い、資金手当てが間に合わなかったのです。
彼の給料は工員4人分です。
何とか遅配も欠配も無く過ごせました。
そればかりでなく、赤字と思って居たその月の月次は、
人権費が少ないために黒字になって居たのです。
「給料返上は誰にも迷惑をかけずに、資金繰りを助け、
おまけに会社は黒字になる。しかも、儂はもっとやらねばと
云うファイトも沸いてくる。たまには給料の返上もすべきだな。」
普通給料の返上は資金状態が切羽詰まってやるものですが、
彼の場合は少し違っていたのです。
それから赤字になりそうな時や、資金が不足しそうな時は、
彼はむしろ積極的に給料の返上をするようになったのです。
しかしこれで済めばよいですが、彼だってそんなに給料を貰わないと
妻に文句を言われます。自分の小遣いも有りません。
たまりかねて、会社のお金を少し持ち出します。
その分、返上した給料を少し返して貰ったのでは、面子がありません。
事務員の「仮払いにして置きます。」の一言で仮払いになりました。
今まで社長でも、理由が無いと会社の金など個人で持ち出したことは
ありませんでしたが、こんなに簡単に持ち出せるとは知りませんでした。
それから清算をしない仮払金が増えてきたのです。
不景気が進みます。
彼は自分の持ち出し以外に、時にバッタで買う材料代すら仮払いにしたのです。
仮払金は物すごい勢いで増えました。
しかし彼の会社は万年黒字です。
仮払いが残ります。
時に「清算をしなければ」と、悩む彼を救う事態が起こりました。
税務署の監査が入ったのです。
「何か云われるな。どうしよう。」
と恐れおののいている彼に、税務署はがっちり仮払いの費目を調べながら
一言も云いませんでした。すんなり通ったのです。
おそらく今の処理の方が、税金は多かったのでしょう。
この事は彼を非常に勇気つけました。
「税務署だって認めたんだ。俺のやっていることは正しいんだ。」
しかし銀行は、違います。
1年目はまだ良かったですが、2年目になると首をかしげ、3年目になると
相手にもしなくなったのです。
もう貸してくれません。リスケに漸く応じてくれたくらいです。
実態を何度も聞かれましたが、その実態は彼にも分からなくなって居ました。
要は仮払いの分だけが赤字になる。その仮払いの中身は不詳と云うことです。
今の会社は本当に彼に給料を払うことが出来ない程、体力が落ちて居ました。
「われわれは、自分の収入が欲しいために必死になって働いているのですよ。
それが給料です。簡単にいじってはなりません。
最後の最後です。利益調整のためにやるなんて最低です。」
あの頃一人反対したコンサルタントを思い出します。
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もし社長給料で操作を始めなければ、此処までの落ち込み名なかった様な気がします。
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