かっ飛ばせ借金 打ち勝て倒産

 
 ‐オグチ経営研究所‐

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差押さえ出来なかった相続資産

2009-12-24 | 事例
「奴に何億かの遺産が入る。
 其の中から俺の貸金3000万を返しても良いではないか。
 それを奴は俺にまで返さないつもりらしい。」
彼は相当頭にきて居ります。

奴と彼は従兄弟同士。父親が兄弟です。
本家から分かれた祖父が父親兄弟に資産を分けましたが、彼の父親が
其の資産を守ったのに対し、奴の父親は投機などで全てを失って居ります。
彼は弟のように従兄弟の奴を可愛がって居ました。
が、大人になって、二人の金銭感覚が違うのも幼い頃からの育ちに
有ったものでしょう。

彼は、水産物の輸入をやって居ます。
其れに対して奴は、やがて1流新聞社の経済記者になって居ります。
しかし奴は、自分の知識に溺れて商品相場をやりました。
これが方々に借金を造る原因になったのです。奴の職業と身分は、
借金苦労しなかったと見えます。
彼からも通算3000万借りて居ります。

一方彼の方も、その頃、大量に仕入れた烏賊の、販売チャンスを窺っている時、 
誤って冷凍ボケを作り、大損をしました。
これが元で、彼の資金も回らないように成ったのです。
奴に返済を頼んでも、窮状を説明されると、それ以上追求も出来ません。
逆に励ましてやるくらいです。
しかし本当に苦労しておりました。

丁度こんな頃、奴が大叔母の養子になることを聞いたのです。
本家筋に当たる大叔母は早くから夫とも子どもとも死に別れ、独り身でした。
家政婦頼りに生活していましたが90歳を過ぎ、さらに体調を壊すと心細くも
成ったのでしょう。
小さい頃から可愛がっていた奴を養子にと決めたようです。
勿論奴も、その父親も大乗り気です。
預貯金は解りませんが不動産だけでも何億です。

親戚中に広まりました。
彼は内心、これで俺の3000万は戻ってくるなとホットしものです。

そんなある日彼は裁判所から1通の書類を受け取りました。
奴に対する債権額の報告を求める書類でした。
彼は奴が破産の申請をしている事を始めて知ったのです。

今まであれだけ破産を嫌っていた奴がなぜ?
どんなときでも返せるようになったら返すと信じていた奴が何故?
奴に連絡しても携帯は通じません。自宅に押しかけても居らず、どうしても
会えません。
勿論伝言も伝わりません。
此処で彼ははっきり、「奴は彼からの借金も返済しない決意」を知ったのです。

債権者会議には積極的に発言して居ります。
奴は何より破産を嫌っていた。1流新聞社の経済記者が破産とわかれば
会社も唯ではすまないと思ったからです。
それが養子が決まると急に破産を申請しました。大叔母の莫大な遺産が
入るのは時間の問題と云うことは、誰でも知って居ます。
それが殆ど奴一人に入るのです。

ところが此処で急に破産を申請して、いままでの借金の免責を求めて居ります。 余りにも不合理ではないですか。
本破産を認めず、奴に遺産が入ったら払うように願います。

これは認められませんでした。
奴の破産は認められ、全てが免責になったのです。

現実に奴のものになって居ない資産。
大叔母が全額寄付でもすればどうなるかわかりません。
絶対に確定した資産では有りません。
確度が甚だ高くても、未確定の将来資産は破産の資産とは別らしいです。

今奴は外車です。
新聞社には何事もなかったように勤めて居ります。

彼の資金は、まだ順調に戻っていません。





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