かっ飛ばせ借金 打ち勝て倒産

 
 ‐オグチ経営研究所‐

 ☆★自分でできる経営の再生と整理★☆

  

司法書士が洩らした詐害行為

2009-12-13 | 事例
「このあたりの司法書士の半分以上は皆さん銀行からの仕事です。
 睨まれるとお飯の食い上げですが。
 それに司法書士の仕事でも、あれは誰がやったと直ぐ分かるものなんです。
 そんな銀行に過去にやった仕事を聞かれると嘘はつき難くて。」

もう60になるかと思われる司法書士は汗を浮かべながら彼に言い訳をして居ます。
彼が司法書士に登記を依頼した件が1年後に詐害行為で銀行から詐害行為で
訴訟を受けたのです。
何と無くおかしさを感じた彼は依頼した司法書士を訪ねたのです。
勿論、司法書士が仕事上で得た個人の情報は他に漏らしてはなりません。

小さな田舎町、彼の兄が経営するする工場が大きい方です。

彼の自宅は父親からもらったものです。
300坪の敷地です。
会社ばかりでなく、近所でも常務さんと云われて、
週一のゴルフは彼の絶好調の証でした。

工場の借入れは保証人になって居りますが、兄と違って担保は
提供して居りません。
会社がおかしくなるにつれて、自宅が心配の種です。
会社はリスケもしても、手形の決済は漸くになって居ます。

資金の話のときに、露骨に兄に、弟の家の担保提供を
要求する銀行も出ていました。もう放っては置けません。
兄に勧められて半分だけを結婚35年の妻に贈ることにしました。

其れに、運よく、丁度その頃、会社は輸入関係で3000万の支払いがありました。
漸く工面をした兄は、その金を弟のために一時動かしてやのです。

そのお金を兄弟の叔父に振り込み、彼は叔父から3000万を借ります。
担保は自宅です。そして彼は直ちに会社に振りこみます。会社は
支払いに回します。一連のお金の流れがすべて裏づけと共に出来たのです。

彼は直ちに、この二つを登記したのです。
町で古手の司法書士に依頼しました。
この時に、気の緩みか、それとも大丈夫と云うお墨つきが欲しいのか、
彼は今までのいきさつを、ぺらぺらと司法書誌に喋ったのです。
司法書士は何も云わず忠実に登記だけを完全にしてくれました。

「結婚20年の税法の恩典。これを受けれるような贈与は銀行など
 差押さえはしてこないさ。それももう半分は、担保でお金の流れも
 きちんとしているし、手もつけれないさ。」

それから日を得ず会社は任意整理で倒産しました。
銀行は担保処分も終わり、彼のところも訪ねて来ましたが、
「払いたいが払えません。」と云う彼の言葉に、おとなしく下がって居ます。
彼はこれでケリは付いたと思って居たのです。

ところが地元の信金だけは彼に返済をせがむのです。
「払えません。」と云うと「奥さんに贈与した分でも何とかならないか。」
と云うのです。
傷に触られるように思って、思わず彼の怒鳴った記憶があります。

しかし、それから1ヶ月経たないうちにこの不動産を全部仮差しと
同時に、奥さん贈与分も叔父の担保分も詐害行為で有るから、
取り消しを求める訴訟があったのです。

裁判が進行し、法廷や相手の準備書面から彼は少し疑問を持ってきたのです。
彼が司法書士に喋ったようなことが、よく出てきます。
「なぜ今頃急に奥さんに贈与したのか。」「叔父は貸した3000を
 どうやって工面したか。」など「突っ込まれるとこちらも弱いが」
なんて確かにこぼした言葉です。
彼はそこで司法書士を訪ねたのです。

「儂ら司法書士はそれが違法とわかっているときに
 その仕事を請けてはならないのです。貴方の依頼は、
 直ぐに詐害行為に引っかかると思いました。
 受けてはいけなかったですね。それを銀行につつかれると
 私も返す言葉もありませんでした。そこである程度のことを
 喋ってしまったのですがおそらく参考になったのでしょう。
 詐害行為の訴訟はそれから直ぐの様ですからね。」

要は、「彼が喋らなくても普通の司法書士には直ぐ詐害行為と分かり、
誰も登記などしなかったでしょう。貴方もあきらめて銀行と和解の道を
探したらどうっですか。」と云う半ば開き直った言葉です。

裁判はあっけなく終わりました。
妻の場合は「いまどき何故、急に贈与したのか理由が曖昧である。
それに妻は何も会社の経営を知らなかったと云って居るが、会社のNO2 の
常務がそんなことを一言も妻に言わない筈が無い。」
また叔父のほうは叔父がどうして3000万を調達したか不明で、
且つこの流れにも如何にもつくり物らしい不審の点がある。信頼できない」
云うことでした。

もう半年、この登記が早かったか、または信金から催促のときに、もう少し
真剣に「払う話」をしていればこの事件は相当変わっていたと思います。

それにしても詐害行為のきっかけを司法書士が作ったとは驚きました。





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