かっ飛ばせ借金 打ち勝て倒産

 
 ‐オグチ経営研究所‐

 ☆★自分でできる経営の再生と整理★☆

  

8000万の借金が訴訟の請求は1000万。

2010-07-21 | 事例
「おかしいですよ。私の債務額は8000万以上ですが、
 今回届いた債権請求の訴状は1000万です。
 訴状にない7000万はどうなるのですか。」
実際の請求額より遥かに低い訴状の請求、こんなことがよく有ります。

請求に対する訴状、いわゆる支払い命令の訴状です。
債務が8000万ですからそれについて争っています。
しかし8000万はおろか、その1%の80万だって払えません。
相手のサービサーはそれを承知しながら「せめて1割の800万くらいは
払ってくださいよ。それが出来なければ、出来るまで毎月3万くらいは
払ってください。」としつっこいです。
話し合いは物別れ、その結果がこの訴状です。

銀行や、その回収機関と争っているとき、訴状の金額が違うことは良く目にします。
普通の商取引で、このような事など先ずありません。

それも不良債権になって、早いうち、またはサービサーに譲渡されて
直ぐに訴状が申請されるような場合は、請求額も修正なしの本物の額です。
お互いに攻防戦を繰り広げ、債権者にも腹のうちに回収可能の上限が
解っただろうと推測できます。そんな時の訴状です。
訴状の請求額は真物を遥かに割った金額になっているのが普通です。

「あっつ、そうだ。これより若干、安い額を和解金として持ち出したっけ。」
そんな心当たりもするような額です。

こうした訴状は、あの保証協会でもよくあります。
保証協会は普通の回収に於いては、あまり訴状などありません。
あくまで話し合いを尊重です。
その保証協会が一番訴状に踏み切るのは、時効中断のときのような気がします。

全然払ってないか、保証人が払って居て、債務者が払わない事が4年を過ぎたころです。
5年過ぎると時効に成りますから、その前に時効を中断しなければ成りません。
まず、この時に残高確認を要請します。
が、一寸でも躊躇をすると直ぐに訴訟に走ることが良く有ります。
安い費用で訴訟が中断できるばかりでなく、5年から10年に延びます。
しかも債務名義すら手に入りますから、甚だ効果的の訴訟です。

この場合も訴訟額は真物を遥かに切って居るのが普通です。
日常送られてくる残高通知は、元金が1億6000万なのに、訴状は2000万と
云うような事はざらです。

この場合は、訴訟された債権は確かに判決の日から10年に成りますが、
訴訟外の債権は、5年を過ぎると、時効と成ります。
上記の例で行けば1億4000万ガ時効になります。
勿論、保証協会は事実上の放棄は予定の上でしょう。
黙っていて、若し時効が過ぎても保証協会が全部の残を通知してきたり、
または請求してくるようでしたら直ちに時効の援用をしておくべきです。

サービサーのほうは時効中断と云うより、実務本意に考えて居ります。
サービサーが少なく訴訟をしてくる目的は、当初脅しのためと思って居ました。
裁判所から訴訟の書類が届き、自分は被告になって居ります。善良な市民は肝を
潰して返済にいそしみます。
だから少ない金額でよいのだと当初は思って居りました。
しかしそうではなく、これはサービサーが見た回収できる最上限で、
これすら難しいとサービサーが見ている限界額です。

この訴訟の額のほうが少ない場合は、それ以上は放棄する予定です。
ただ債務者に言わないだけです。
時効でなければ請求は出来ますが、差押えもできない弱い弱い債権です。

これも私の感じですが、交渉が進んでどうにも成らなくなったときの訴訟ですから、
比較的差押さえを実行する確率は高いと思います。
そして成果を上げようという態度です。
以前は、脅しの意味か、自宅や会社の近くの銀行を差押えたのに比べ、売掛金が
あったり、敷金があったり、何が何でも差押えようとする気迫が感じられます。

何箇所も加えて、枠一杯を差し押さえ、その額を全部合計しても、
訴訟額を上回ることはありません。ですから一旦差押さえをすると、
それを取り下げない限り、次回の差押えはできません。

そしてその差押えで100万でも200万でも差押えられた場合、相手は直ぐに
差押さえを取り下げ、次回の差押さえをしてきます。
請求枠は訴訟で小さくしましたが、決めた枠は何とかして取りたいという
気持ちで一杯みたいです。

以前は直ぐに債務名義を取って、銀行を3-4行差押えてきたのですが、
こうした方法は終わりました。
取れる範囲で無駄の事はせずに効果を上げたいみたいです。

それはそれとして、この訴状のあり方ひとつ見ても、相手がどのくらいを取ろうと
真剣に考えているか、などいろいろのことが推理されて面白いです。
訴状が来てもいやがらず、良く見ると債権者の考えがわかってきます。
そんな余裕を持って対応したいものです。


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