次長代理も課長も急に黙りこんで終いました。
気まずい沈黙が暫く続いた後、二人は「当行も今後の処理をもう1度検討します。」
と逃げるように帰ったのです。
話の経緯は、1年前に彼に銀行の本店営業部から「融資取引はなし。残高 0。」
と云う残高証明を頂いて居ります。
「不良債権を放棄してもらったんだ。」彼は随分喜んだ物です。
しかし1年後、急に請求がありました。彼はびっくりして電話で苦情を申し込んだのです。
いろいろ話したが双方とも納得せず、今日銀行からの訪問です。
彼の予想より偉い人が来ました。
「確かに銀行は内部的には償却して居りますが、貴方に対しては償却して居りません。
第一、貴方も債務を払った覚えはないでしょう。」
此方が老人のせいか言いたいことを言って居ます。挙句の果てが次の台詞でした。
「当行はサービサーに譲渡しますから、後はサービサーと交渉してください。」
このときに彼は毅然として言い返したのです。
「残高0の債権を他人に譲渡してよいかは知りませんが、譲渡する事は御行の自由です。
私が口を出すことはできないでしょう。
しかし、万一私のところに請求があった場合は、参考意見として、
私は先ず金融庁に私の考えが正しいかお伺いをします。」
こういった途端です。二人とも黙り込んだのは。
今までは裁判も辞さないような口ぶりでしたが今度は唖になったのです。
もうサービサーには譲渡は無いと思います。
どうも態度から見て銀行にとっては、金融庁は裁判所より怖いところでしょうか。
監督官庁の威力と云えば、大蔵省に威力を感じたのが最初でした。
経営がおかしくなると、担保でない定期預金が良く拘束されて、
債務者が泣いたことがあります。何を言っても解除してくれません。
泣く泣く銀行に取られたものです。
しかし、之を大蔵省に直訴すると銀行は解除してくれると云う噂が流れたのです。
この時に、3000万を拘束された一人の田舎町の社長を知って居ります。
どうお願いしても銀行は解かないために彼はわざわざ上京して大蔵省に駆け込んだのです。
対応してくれたのは、理財課長でした。
社長の話を聴いた後その場で銀行の支店長に電話をして呉れたのです。
課長は「明日帰ると引き出せます」と助言してくれたのです。
翌日、銀行に定期の解約手続きをすると、何の抵抗もなく、すらすらでした。
社長は改めて監督官庁の偉大さを感じたのです。
しかしこの話は続きがあります。
仲のよい違う銀行の担当が其の日の内に尋ねてきたのです。
「頑張ったらしいね。近隣の銀行は昨日中に全部知って居ますよ。
今後は難しくなりますよ。」
事実それを期に、今までの取引銀行は彼のところを急激に避け始めたのです。
新規の銀行を狙っても銀行は相手にもしません。
彼は間もなく倒産したのです。
私はこの他、2軒知って居ります。確かに大蔵省は助けてくれました。
しかし、いずれもその後銀行との間が急に悪くなり、2軒とも直ぐの倒産になって居ます。
私は、この後大蔵省に直訴は、止めて居りますが、其の威力は十分に解りました。
金融庁に代わった最初のころは、争いごとで電話をしても「民事不介入」
と云って相談の受付すらなかったように思います。
次に電話では良く相手もしてくれましたが、結論が出難いこともありました。
「富士銀行と第一勧銀が合併した時です。両方の銀行から借りて居る人がいました。
ところが保証人の一人が富士だけを保証していて、第一勧銀は保証していませんでした。
新たに第一勧銀分を保証に加える事は嫌だと言い張りました。銀行は保証しないと
不良債権にすると強硬です。」
銀行の言い分がおかしいのではないかと金融庁に聞いたことがあります。
「金融庁はこの問題については各銀行に一任して結論はもっていません。」
銀行に遠慮したような返事でした。
しかし、こうした、銀行に遠慮が見えるかの感があった金融庁も
随分変わってきていると思います。権威を感じます。
其の金融庁が中小企業寄りの事を云っているのも嬉しいことです。
我々は官庁に威圧なんて感じません。銀行は感じているみたいです。
何か利用出来ることはうまく利用したいです。
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気まずい沈黙が暫く続いた後、二人は「当行も今後の処理をもう1度検討します。」
と逃げるように帰ったのです。
話の経緯は、1年前に彼に銀行の本店営業部から「融資取引はなし。残高 0。」
と云う残高証明を頂いて居ります。
「不良債権を放棄してもらったんだ。」彼は随分喜んだ物です。
しかし1年後、急に請求がありました。彼はびっくりして電話で苦情を申し込んだのです。
いろいろ話したが双方とも納得せず、今日銀行からの訪問です。
彼の予想より偉い人が来ました。
「確かに銀行は内部的には償却して居りますが、貴方に対しては償却して居りません。
第一、貴方も債務を払った覚えはないでしょう。」
此方が老人のせいか言いたいことを言って居ます。挙句の果てが次の台詞でした。
「当行はサービサーに譲渡しますから、後はサービサーと交渉してください。」
このときに彼は毅然として言い返したのです。
「残高0の債権を他人に譲渡してよいかは知りませんが、譲渡する事は御行の自由です。
私が口を出すことはできないでしょう。
しかし、万一私のところに請求があった場合は、参考意見として、
私は先ず金融庁に私の考えが正しいかお伺いをします。」
こういった途端です。二人とも黙り込んだのは。
今までは裁判も辞さないような口ぶりでしたが今度は唖になったのです。
もうサービサーには譲渡は無いと思います。
どうも態度から見て銀行にとっては、金融庁は裁判所より怖いところでしょうか。
監督官庁の威力と云えば、大蔵省に威力を感じたのが最初でした。
経営がおかしくなると、担保でない定期預金が良く拘束されて、
債務者が泣いたことがあります。何を言っても解除してくれません。
泣く泣く銀行に取られたものです。
しかし、之を大蔵省に直訴すると銀行は解除してくれると云う噂が流れたのです。
この時に、3000万を拘束された一人の田舎町の社長を知って居ります。
どうお願いしても銀行は解かないために彼はわざわざ上京して大蔵省に駆け込んだのです。
対応してくれたのは、理財課長でした。
社長の話を聴いた後その場で銀行の支店長に電話をして呉れたのです。
課長は「明日帰ると引き出せます」と助言してくれたのです。
翌日、銀行に定期の解約手続きをすると、何の抵抗もなく、すらすらでした。
社長は改めて監督官庁の偉大さを感じたのです。
しかしこの話は続きがあります。
仲のよい違う銀行の担当が其の日の内に尋ねてきたのです。
「頑張ったらしいね。近隣の銀行は昨日中に全部知って居ますよ。
今後は難しくなりますよ。」
事実それを期に、今までの取引銀行は彼のところを急激に避け始めたのです。
新規の銀行を狙っても銀行は相手にもしません。
彼は間もなく倒産したのです。
私はこの他、2軒知って居ります。確かに大蔵省は助けてくれました。
しかし、いずれもその後銀行との間が急に悪くなり、2軒とも直ぐの倒産になって居ます。
私は、この後大蔵省に直訴は、止めて居りますが、其の威力は十分に解りました。
金融庁に代わった最初のころは、争いごとで電話をしても「民事不介入」
と云って相談の受付すらなかったように思います。
次に電話では良く相手もしてくれましたが、結論が出難いこともありました。
「富士銀行と第一勧銀が合併した時です。両方の銀行から借りて居る人がいました。
ところが保証人の一人が富士だけを保証していて、第一勧銀は保証していませんでした。
新たに第一勧銀分を保証に加える事は嫌だと言い張りました。銀行は保証しないと
不良債権にすると強硬です。」
銀行の言い分がおかしいのではないかと金融庁に聞いたことがあります。
「金融庁はこの問題については各銀行に一任して結論はもっていません。」
銀行に遠慮したような返事でした。
しかし、こうした、銀行に遠慮が見えるかの感があった金融庁も
随分変わってきていると思います。権威を感じます。
其の金融庁が中小企業寄りの事を云っているのも嬉しいことです。
我々は官庁に威圧なんて感じません。銀行は感じているみたいです。
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