へそくり
2010-10-30 | 事例
7-8年か前の話です。
親子4名で私の事務所に駆け込んできた一家があります。
親父があらゆる金融会社から借りめぐり、妻と二人の子供が其の
返済を助けるために保証したり自分が借りて居るのです。
勿論いずれも返すために借金で自分等の遊びや生活のためでは居りません。
しかし誰もが矢の催促になりました。
特に狙われたのが娘と息子です。まあまあの企業に勤めて居ります。
娘が勤務の帰りにこのうちの一軒に捕まり事務所に引っ張りこまれたのです。
折も折、息子にも電話がありました。
「明朝、早くにお伺いする。幾許かは必ず返して頂きたい。」
もう来るだろうから、どうしてよいか解らない。
前に先生の本を呼んだことがあるから堪らなくなって駆け込みました。」
声が、がちがちに堅くなって居ります。
「話を聴いたところ破産が一番良いと思いますが、
弁護士に相談したことがありますか。」
「ええ、しかし会社の破産しますから、どうしても200万は必要らしいです。
2軒で同じ答えでしたから、本当だと思います。有れば有ります。
お恥ずかしいですが今其のお金すらありません。」
知り合いの弁護士に直ちに電話をしました。
「相談料ももらえない人だ。今直ちに伺わせるから、費用を考えてくれ。」
「個人企業でも会社が有るから、幾ら安くても80万が限度ですね。」
其の80万も無理だろうと思いながら、その旨を4人に伝えました。
案の状落胆の色が浮かんだとき、今迄黙っていた母親が口を開きました。
「先生お金は私が何とかしますから、今から其の弁護士を訪問します。
よろしくお願いします、」
額は解りませんが、母親はこの苦しい中、夫や子供に黙ってへそくりを
隠し持って居たのです。いざと云う時は投げ出すつもりだったでしょう。
200万以下だったと思います。
いずれにせよ一家は助かりました。
このときに私が受けた印象は家族4名の強い絆と、こんなになるまで、
隠し持って居た母親のへそくりでした。
この後何回もへそくりについてお目にかかって居ります。
不渡りを出しましたが、債権者会議も開かず、商売を続けた人が居ります。
そんなでしたから資金繰りは容易では有りません。
材料を供給してくれるところは限られて居ます。
仕入先に一寸でも迷惑をかければもう会社は続きません。
借地で競売でも売れない建物でしたから、出来たのです。
商売に、あるいは旧債に追われる日が何年も続きました。
そんな大ストレスのせいか、ある日、彼は仕事中に稼動している
機械の前でふらふらと気を失ってしまったのです。
近くの従業員が気がつき、直ちにスイッチを切ったために
大事には至りませんでしたが、小指一本を失って居ます。
直ぐに近くの救急病院に運ばれましたが、そうなった原因は心臓にあると、
100キロ離れた大阪の病院に直ちに入院処置をとってくれました。
手術は、無事終わり1ヶ月くらいで退院です。
高額療養で戻ってはきますが80万余、此処で立て替えて払わないとなりません。
会社の方は彼が倒れたと仕入先が知れば、解れば直ちに原材料は
入らなくなり工場は閉鎖です。支払が滞っても同じです。
通常の態度が必要です。
パートの給料を半分以上未払いで、仕入れ先には払いました。
80万の余裕などありません。
この場合も奥さんが何とかしております。
親戚も少ないし、外部から借りたと云う事は考えられません。
奥さんのへそくりしか考えられないのです。
倒産して一家悲惨の生活でも、子供が有名私立に入学した話など良く有ります。
公庫からの借金で回して居ると考えますが、それだけでは済まない筈です。
こうした「どう考えても解らないお金」が結構世の中に出回って居ます。
最近の不景気は、家族承知の蓄えなどはとっくに吐き出させました。
資金の欠乏度は今までと桁が違います。
ですから最近はへそくりまでの余裕はない、有っても、
へそくりも使い果たしただろうと思って居ました。
しかし最近でも同じように「へそくりがあったんだ。」と驚いた経験があります。
へそくり、それは危機管理の第1歩で、最も必要なものだと考えることも出来ます。
之を作ることも難しいですし、人に隠して居る事はもっと難しいものです。
其の価値は使い方で決まります。
そんなへそくり、皆に持って頂きたいと思って居ります。
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親子4名で私の事務所に駆け込んできた一家があります。
親父があらゆる金融会社から借りめぐり、妻と二人の子供が其の
返済を助けるために保証したり自分が借りて居るのです。
勿論いずれも返すために借金で自分等の遊びや生活のためでは居りません。
しかし誰もが矢の催促になりました。
特に狙われたのが娘と息子です。まあまあの企業に勤めて居ります。
娘が勤務の帰りにこのうちの一軒に捕まり事務所に引っ張りこまれたのです。
折も折、息子にも電話がありました。
「明朝、早くにお伺いする。幾許かは必ず返して頂きたい。」
もう来るだろうから、どうしてよいか解らない。
前に先生の本を呼んだことがあるから堪らなくなって駆け込みました。」
声が、がちがちに堅くなって居ります。
「話を聴いたところ破産が一番良いと思いますが、
弁護士に相談したことがありますか。」
「ええ、しかし会社の破産しますから、どうしても200万は必要らしいです。
2軒で同じ答えでしたから、本当だと思います。有れば有ります。
お恥ずかしいですが今其のお金すらありません。」
知り合いの弁護士に直ちに電話をしました。
「相談料ももらえない人だ。今直ちに伺わせるから、費用を考えてくれ。」
「個人企業でも会社が有るから、幾ら安くても80万が限度ですね。」
其の80万も無理だろうと思いながら、その旨を4人に伝えました。
案の状落胆の色が浮かんだとき、今迄黙っていた母親が口を開きました。
「先生お金は私が何とかしますから、今から其の弁護士を訪問します。
よろしくお願いします、」
額は解りませんが、母親はこの苦しい中、夫や子供に黙ってへそくりを
隠し持って居たのです。いざと云う時は投げ出すつもりだったでしょう。
200万以下だったと思います。
いずれにせよ一家は助かりました。
このときに私が受けた印象は家族4名の強い絆と、こんなになるまで、
隠し持って居た母親のへそくりでした。
この後何回もへそくりについてお目にかかって居ります。
不渡りを出しましたが、債権者会議も開かず、商売を続けた人が居ります。
そんなでしたから資金繰りは容易では有りません。
材料を供給してくれるところは限られて居ます。
仕入先に一寸でも迷惑をかければもう会社は続きません。
借地で競売でも売れない建物でしたから、出来たのです。
商売に、あるいは旧債に追われる日が何年も続きました。
そんな大ストレスのせいか、ある日、彼は仕事中に稼動している
機械の前でふらふらと気を失ってしまったのです。
近くの従業員が気がつき、直ちにスイッチを切ったために
大事には至りませんでしたが、小指一本を失って居ます。
直ぐに近くの救急病院に運ばれましたが、そうなった原因は心臓にあると、
100キロ離れた大阪の病院に直ちに入院処置をとってくれました。
手術は、無事終わり1ヶ月くらいで退院です。
高額療養で戻ってはきますが80万余、此処で立て替えて払わないとなりません。
会社の方は彼が倒れたと仕入先が知れば、解れば直ちに原材料は
入らなくなり工場は閉鎖です。支払が滞っても同じです。
通常の態度が必要です。
パートの給料を半分以上未払いで、仕入れ先には払いました。
80万の余裕などありません。
この場合も奥さんが何とかしております。
親戚も少ないし、外部から借りたと云う事は考えられません。
奥さんのへそくりしか考えられないのです。
倒産して一家悲惨の生活でも、子供が有名私立に入学した話など良く有ります。
公庫からの借金で回して居ると考えますが、それだけでは済まない筈です。
こうした「どう考えても解らないお金」が結構世の中に出回って居ます。
最近の不景気は、家族承知の蓄えなどはとっくに吐き出させました。
資金の欠乏度は今までと桁が違います。
ですから最近はへそくりまでの余裕はない、有っても、
へそくりも使い果たしただろうと思って居ました。
しかし最近でも同じように「へそくりがあったんだ。」と驚いた経験があります。
へそくり、それは危機管理の第1歩で、最も必要なものだと考えることも出来ます。
之を作ることも難しいですし、人に隠して居る事はもっと難しいものです。
其の価値は使い方で決まります。
そんなへそくり、皆に持って頂きたいと思って居ります。
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