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< 郷土料理 > 神奈川 ワカサギの甘露煮

2024-11-25 08:40:34 | 郷土料理

 「ワカサギの甘露煮 」

 主な伝承地域 箱根町

 主な使用食材 ワカサギ

 歴史・由来・関連行事
 神奈川県の西端、箱根町の芦ノ湖で獲れたワカサギを、素焼きしてからじっくり煮込み、水あめで照りを出した郷土料理。甘辛くしっかりした味付けで、水分を飛ばしているため日持ちし、保存食としても重宝されている。
 芦ノ湖は標高724メートル、箱根火山の火山活動で生まれたカルデラ湖である。逆さ富士を眺める景勝地として知られるとともに、古くから漁業でも栄えてきた。大正7年、茨城県の霞ヶ浦からワカサギの種卵が移植されワカサギ漁が始まって以来、100年以上にわたって増殖事業が続けられている。芦ノ湖の澄んだ水で育ったワカサギはその美味しさに定評があり、箱根の特産品として地元の人々だけでなく観光客にも親しまれている。
 芦ノ湖では毎年10月1日にワカサギの刺し網漁が解禁となる。当日は地元の漁師らが一斉に船を出し、その日獲れた初物は箱根神社で祈祷された後、宮内庁に献上される。
 ワカサギにはフライや南蛮漬けなどさまざまな調理法があるが、なかでも甘露煮はこの地域で古くから親しまれてきた料理で、正月には定番の品として食卓に上がる。

 食習の機会や時季
 冬の魚というイメージがあるワカサギだが、芦ノ湖では8月頃から漁獲でき、11月頃に最盛期を迎える(禁漁期間は12月中旬~2月)。漁獲期間中は地元の旅館や飲食店などで、甘露煮をはじめ多彩なワカサギ料理が提供されている。

 飲食方法
 素焼きにしたワカサギを鍋に並べ、番茶を入れて弱火で一日煮る。醤油、砂糖、みりんなどの調味料を加え、さらに一日煮込む。最後につや出しのため水あめを加える。

 保存・継承の取組(伝承者の概要、保存会、SNSの活用、商品化等現代的な取組等について)
 ワカサギは箱根町の「町の魚」であるとともに、神奈川の伝統と風土に培われた「かながわの名産100選」にも選出されており、観光資源として活用されている。毎年、禁漁期間に入るころに、芦ノ湖の環境保全のため大規模な湖底清掃が行われる。
 2月には、箱根神社の節分祭に合わせて芦ノ湖周辺で「わかさぎ祭り」が開催され、地元で獲れたワカサギ料理がふるまわれる。

*https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/35_9_kanagawa.html より


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