いいもの見ぃ~つけた!

「いいもの」は探せばいっぱいあります。独断と偏見による個人的「いいもの」情報発信所です。

<経産大臣指定伝統的工芸品> 愛知 有松・鳴海絞り

2021-05-13 09:01:35 | 経済産業大臣指定伝統的工芸品

 「有松・鳴海絞り」

 Description / 特徴・産地

 有松絞・鳴海絞とは?
 有松絞・鳴海絞(ありまつしぼり・なるみしぼり)は、愛知県名古屋市緑区周辺で作られている絞り染めです。日本国内の絞り製品の多くはここで生産されており、国の伝統工芸品に指定されています。「有松絞(ありまつしぼり)」「鳴海絞(なるみしぼり)」とも呼ばれます。
 有松絞・鳴海絞の特徴は、絞りのときにできる濃淡や文様の独特な風合いです。「縫絞(ぬいしぼり)」「くも絞」「雪花絞(せっかしぼり)」「三浦絞(みうらしぼり)」「鹿の子絞(かのこしぼり)」など多種多様な技法が考案され、現在では100種類にも及ぶ絞りの技法があります。
 1992年に「第一回国際絞り会議」が開催されたことを皮切りに、世界中に絞りのネットワークを展開し、有松地区や鳴海地区は絞りのメッカともいわれるようになりました。今では「SHIBORI」として世界中に愛されています。

 History / 歴史
 有松絞・鳴海絞 - 歴史

 有松絞・鳴海絞のルーツは江戸時代初期に遡ります。絞りの技法自体は奈良時代に始まったものですが、1610年(慶長15年)から1614年(慶長19年)にかけて行われた名古屋城築城の手伝いに豊後(現在の大分県)から来た人たちが着ていた絞り染めの着物を、有松地区に移住してきていた竹田庄九朗が見て、三河木綿に絞り染めを施した手ぬぐいをつくったことから有松絞・鳴海絞の歴史が始まりました。
 1655年(承応4年)には、豊後からきた女性により豊後絞りが伝えられ、有松絞の絞り染めは変化を遂げました。このときに伝えられた技法が「三浦絞り」です。当時から生産の中心は有松地区でしたが、東海道五十三次の一つである鳴海宿で旅人が故郷へのお土産にと買い求めたことから「有松絞」「鳴海絞」として繁栄しました。その後、有松地区と鳴海地区が名古屋市に編入したことから、「有松絞・鳴海絞」として発展を続けています。

*https://kogeijapan.com/locale/ja_JP/arimatsunarumishibori/ より

 浮世絵にも描かれた伝統の美と技 有松・鳴海絞
 有松は絞りとともに歩んだ町。旧東海道沿いには江戸時代そのままの古い商家の家並みが残る。宿場町として栄えた鳴海の隣りにあり、土産物として旅人に買われて広く知られるようになった有松の絞りは、伝統の美しさで今も人の心を魅了する。

 
 技の競演により生まれる逸品
 旧家を利用した絞りの老舗をのぞくと、色あざやかな数々の絞り製品に目を奪われる。百種類に及ぶという括(くく)りの技法と、それを引き立たせる熟練した染色の技術。手間をかけ心を込めたその素朴な美しさは、独特の風合いがあり長く愛用したくなる逸品。18世紀末から19世紀初めごろに分業形態が定まり、型紙彫りから下絵刷り、括り、そして染色と、何人もの職人の手を渡り、みごとな技の競演が見られるようになった。
 
  繊細な括り技法を活かす染色
 三浦典久さんは染色を専門とする職人の一人。絞りの仕事を始めたのは、昭和40年代の右肩上がりの時代だと言う。「浴衣だけでも、染めきれないほど大量の仕事があったね。」今は扱うものの種類が増え、着物や浴衣の和装だけではなく、ハンカチ、スカーフ、ひざ掛けのほか、ワンピースやスカートなどのアパレル製品が多くなっている。化学染料を使うようになり、染料の色も数え切れない種類があるが、染めの難しさは生地によって染まり方が違うところだという。「色見本を渡されて、サンプルを少量作っていいと思っても、大きな釜で大量に染めると、仕上がりの色が違ってくるからね。」求められる色にぴったり合う染料があることはほとんどない。たいていは3色以上を混ぜて使うことになる。 「何らかの人の力を加えて柄になるのが絞りだよね。手作りの素朴なところに親近感がわく。」括り加工や生地に応じて、いかにきれいに染めるかが染色職人の腕の見せどころ。「好きな杢目(もくめ)絞りがうまく染まるとうれしいね。」と言う三浦さんは、「自分で企画した商品を作って、販売なども手がけていきたい。」と今後の展開もいろいろ考えている。
 一度の作業で染め上がるわけではなく何度も浸染を繰り返す
 昔ながらの技法が消えていくのは残念なこと
 最近では、括り加工の一部は中国で行われるようになった。伝統の絞りの技術を守り伝えるため、地元では後継者育成の積極的な取り組みがなされている。鳴海で絞りの店を持ち、自ら制作に励む榊原あさ子さんも、月の半分は東海地区や東京の教室で教え、忙しい日々を送る。小学生のころから絞りに親しみ、長く内職として括りの仕事を続けていたが、44歳のときに大病を患い、それがきっかけで「生きた証として何かを残したい。」と考えるようになった。できる人がいなくなったと聞いた「白影絞り」にも挑戦。以前、明治生まれの94歳のおばあさんに見込まれて、「蓑絞り」を伝授してもらったことが忘れられない。絞りの工程は分業が基本だが、型紙彫りから染色まですべて自分でこなす。有松・鳴海絞の伝統工芸士の中で、ただ一人「総合部門」で認定されている。
自分の発想を表現することが楽しい
 「短歌や俳句、絵画、音楽、陶芸、文学・・・。60年間、ありとあらゆることを勉強してきたの。今それが花開いている感じ。」現在、通信教育で学ぶ大学生でもある。「余分なものなど今まで何ひとつなかった。」と言うように、そうして学んできたことがいろいろな形で絞り制作にも役立っているのだろう。染色には化学染料が一般に使われているなかで、榊原さんは本物の藍にこだわる。 「糸をほどいたときの意外性が楽しみ。」教室で教えていて気づいたのは、良質の絞り製品を買うのは絞りを習ったことのある人だということ。「趣味としてでも日本の技術が残っていけば」と技法の伝授に努力しながら、自らも「新しい柄、新しい技法を編み出していきたい。」と意欲をみなぎらせている。伝統を守るだけではなく、ここからまた新たな伝統が生み出されていく。
  
 職人プロフィール

 三浦典久 (みうらのりひさ)

 1946年生まれ。 大学卒業後、染色職人となる。「手で染めるということに、こだわっていきたい」


 榊原あさ子 (さかきばらあさこ)

 1926年生まれ。 絞り作家として活動しながら、数カ所の教室でも教えている。


 こぼれ話

 装いに絞りを取り入れ、生活を演出

 有松の絞り専門店には、着物や浴衣だけではなく、Tシャツやワンピースなど日常的な装いに取り入れられる製品がたくさん並んでいます。紺染めのものから多色づかいのものまで、同じデザインであってもひとつひとつ括りや染めが異なり、選ぶのも楽しくなります。 スカーフや帽子、日傘などの小物も豊富なので、ワンポイントで使うのもまたよし。ファッションアイテムの幅が広がりそうです。高価な反物には手が届かなくても、身近なものから日本の伝統の技術に親しんでみるのもいいかもしれません。 また、最近はアジアン雑貨や和風アンティークなど、素朴で落ち着きのある、手作りのインテリアに人気があるようです。部屋の中に絞りの品をさりげなくコーディネイトしてみてはいかがでしょう。

*https://kougeihin.jp/craft/0204/ より


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« <苺> チーバベリー | トップ | <漢字検定> 1級 読み 77.... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

経済産業大臣指定伝統的工芸品」カテゴリの最新記事