第190回 2018年4月10日 「丈夫でモダン!ユニークな紙製品~福井 越前和紙~」リサーチャー: 三倉茉奈
番組内容
まるで石のような造形のユニークな小物入れ。インテリアとしてもおしゃれと人気だ。素材は驚くことに紙?いま福井県・越前和紙の伝統的な技法を生かしたモダンな製品が続々誕生。繊細なシワが高級感さえ感じさせるシックな紙バッグもそのひとつ。紙でありながら丈夫で破れにくく、使う人に対する細かい心づかいもされている。なぜ越前の紙は丈夫なのか?1500年の歴史を築いてきた越前和紙の世界を女優の三倉茉奈がリサーチ!
*https://www.nhk.or.jp/archives/chronicle/detail/?crnid=A201804101930001301000 より
1.EICOバッグ(長田製紙所)
長田製紙所は明治42(1909)年創業、福井県越前市「越前和紙の里」で襖紙や装飾和紙を製造している手漉き和紙工場です。
越前和紙の里 福井県越前市新在家町8−44
「かみと生きる・かみと暮らす」をテーマに、伝統や時代に寄り添いながらも、「時代とともに進化し続ける和紙の暮らし」 を追求しています。
長田千葉さんは、お洒落な紙バッグ「EICO BAG」を作っています。
この紙バッグは、今から4、50年前に長田千葉さんの義理のお母様で、伝統工芸士・長田榮子(おさだえいこ)さんが考案しました。
榮子(おさだえいこ)さんは、平成28(2016)年には「現代の名工」に選ばれてもいます。
因みに、「EICO」という名前は、長田榮子んの「EIKO」と「ECOLOGY」をかけた造語だそうです。
表面に施されたシワと、伸びやかな黒の線がシックなこのモノトーンのバッグは、襖用の和紙で作られています。
作業場では、紙を作るところから始まります。
まず、楮(こうぞ)を煮て、柔らかくしたものを使う。
材料を水槽に溶かし込んで、襖の紙を作る時と同じ「簀桁」(すけた)で作っていきます。
そして漉き上がったら、お好み焼きのソースを入れるようなボトルに黒い顔料を入れて、ラインを入れていきます。
どのようなデザインにするのかは、職人歴30年の竹内さんの感性に任されています。
続いては、シックな雰囲気を演出するシワを入れていきます。
紙を裏返して膠(にかわ)を塗ると、長田さんはいきなり紙をクシャクシャにしました。
そして、表にも膠をつけて指で手繰り寄せます。
これを裏表二回ずつ行い、一日乾かせば出来上がりです。
長田製紙所 福井県越前市大滝町29-39
2.harukami [cobble](やなせ和紙)
福井県越前市で、本鳥の子紙などの無地の襖紙や、雲肌などの模様のある襖紙を中心に紙漉きを行なってきた
「やなせ和紙」。
住宅の洋式化などによる昨今の和紙需要の低下を背景に、最近では、立体的な造形を生かした和紙で作った箱を製作しています。
河原にころがっている小石のような箱「harukami [cobble]」は「やなせ和紙」のアイテムの一つで、一つ一つ職人により手漉きで作られた和紙を顔料で着色して3枚重ねて、手で包み込むように木型に貼り付けて作られています。
身近な自然の中の「石」からヒントを得、スウェーデン語で「石」を意味する[cobble]と名前を付けたんだそうです。
ハリのある丈夫な箱ですから、アイデア次第で様々な使い方が出来ますが、近くで見ると、シワシワとした和紙ならではの優しい風合いと自然で柔らかな丸み に置いておくだけでも素敵です。
また、スウェーデン語で「雲」の意味する「moln (モルン)」という和紙製の箱も素敵です。
やなせ和紙 福井県越前市大滝町24-21
*https://omotedana.hatenablog.com/entry/Ippin/Fukui/Echizenwashi_1 より
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