2017.4.7.15:16 滋賀県犬上郡多賀町四手 あけぼのパーク多賀内 多賀町立博物館
アケボノゾウの全身骨格標本(レプリカ)
図書館・博物館など3つの施設が合わさって、公園も併設されています。
富田林市で発見されたアケボノゾウの足跡化石、牙・臼歯の化石などと関連した化石を展示されている施設があると聞いて、多賀町立博物館にやってきました。
図書館と博物館の間の空間ホールに据えられたアケボノゾウの全身骨格標本
〈画面をクリックすると富田林市桜ケ丘町にあるすばるホールのアケボノゾウの全身骨格標本が見れます。(非公開)〉
ホールと外をアケボノゾウの足跡がつないでいます。
ここ、多賀町四手(しで)のアケボノゾウ化石発掘現場を再現されています。
いいアイデアですね。きっと児童のみなさんは大喜び!
ありました!発掘現場の全身骨格(レプリカ)
うらやましい。富田林市は牙と臼歯だけです。
頭部の骨格はないようですが、ほぼ全身の骨格が出土しています。
180万年前の古琵琶湖層群の蒲生累層の最上部から出土したそうです。貴重な全身骨格の化石です。
〈画面をクリックすると富田林市美山台で出土したアケボノゾウの牙(レプリカ)が見れます。(非公開)〉
富田林市美山台から出土したアケボノゾウの牙・臼歯の化石は約100万年前のものです。いずれも工事現場から工事関係者により発見され、学識者に連絡があり発掘がなされました。連携プレーが大きな発見を生んだということですね。
博物館のアケボノゾウの展示と映像
[以下の館内の写真は博物館の許可をいただいております。]
映像は1992年に発見された当時の模様を再現されています。
発掘されたアケボノゾウの化石(実物)
多賀町のアケボノゾウの化石は、全国でももっとも完全に近い形で発見されました。そればかりか、アケボノゾウを含むグループであるステゴドン科のゾウ化石では、アジアで2番目によくそろった骨格です。
富田林市のすばるホールにある骨格標本も実はここで発掘された化石により作成されています。
これ実物ですよ!すごい!!
1993年、滋賀県犬上郡多賀町の四手(しで)の、現在『多賀町立博物館(「あけぼのパーク多賀」内)』が立っているところから2kmほど離れた造成地で、約180万年前の昔の琵琶湖にたまった粘土の中(古琵琶湖層群、蒲生累層)から、アケボノゾウというゾウの全身の骨格の化石が発見されました。
アケボノゾウは体高2m程度の小型のゾウで、今のアジアゾウ(インドゾウ)より小さいゾウです。日本列島に渡ってきて、順応し小さくなったと考えられています。でも牙は大きいですね。
海外では、アケボノゾウに相当するゾウの化石は発見されていません。このことからも、日本で独自の進化をとげたゾウと考えられています。(残念ながら、絶滅)
当時の様子がよくわかるパネル展示
多賀町の土地の移り変わりがよくわかる展示
多賀町発見の全身骨格化石で、発見されなかった頭部
足跡化石
富田林市の石川でも数多く出土しました。
富田林市のゾウ足跡化石と化石木: 石川化石林・石川足跡化石 学習会 2014.9.27.
「第9回 こども祭り(レインボーホールにおいて)」での「石川ゾウ足跡化石&化石木」展示と学習会
2017.1.25.
多賀町立博物館は平成11年(1999)に開館し、18年が経過していますが、平成4年(1992)の発見当時の感動を生々しく語りかけてくるすばらしい展示です。そして、18年も経過しているにも関わらず、すこしも展示の劣化を感じさせないのも驚きです。
小早川館長にお話をお聞きすると、展示物の更新がなかなかできていないとのことですが、7563人(2017.4月)の多賀町の人口にあって、入館者数が1.6万人は立派と思います。訪問した4月7日にも企画展が開催されていました。町民は無料というのもいいですね。
18年も前に、人口7千人余りの多賀町にあって、こんなすばらしい博物館が存在しているというのは驚きです。富田林市は人口11.3万人(2017.4月)と多賀町の15倍の人口を擁していますが、文化財を展示するといった大きな施設がありません。
正直、とてもうらやましいことです。
撮影日:2017年4月7日
2017.5月11日 ( HN:アブラコウモリH )
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