富田林百景+ 「とんだばやし」とその周辺の魅力を発信!「ええとこ富田林」

大阪の東南部に位置する人口10万ちょっとのごく普通の町、富田林。その魅力を、市民の手で発見していきます。

〈リバイバル・アーカイブス〉国 登録有形文化財 桃花塾

2022年11月01日 | 文化財

〈リバイバル・アーカイブス〉2023.1.31~1.14

原本:2022年11月1日

2022年10月18日 15:18 富田林市喜志2067番地 社会福祉法人 桃花塾

国 登録有形文化財である桃花塾本館・教室棟を見学する機会をいただきました。その一部をご紹介いたします。

 

本館 昭和8年(1933)創建当時の建物です。

羽曳野丘陵東端の傾斜地の自然の豊かな雑木林の中に立地しています。

 

本館1階の廊下

良質の木材をふんだんに使用した落ち着いた建物で、すでに89年が経過しています。

 

塾長室(旧研究室) 

壁には創設者の岩﨑佐一氏が影響を受けたJ.H.ペスタロッチらの肖像画が掲げられています。

塾の創立は大正5年(1916)岩﨑佐一氏(1876~1962)により大阪市天王寺区細工谷に創設されたことに始まります。私設の知的障害者施設の先駆として、その後東成区東生野に移転した後、さらなる「理想の地」を求めて、ここ喜志村に移転しています。

 

隣の1階応接室

大きな窓に落ち着いた雰囲気の応接室。調度品は当時のままだそうです。

 

こちらは研究室。隣りの衛生室(保健室)とはつづきになっています。旧教授準備室でした。

 

全体的に自然光をふんだんに取り入れられるよう窓を大きくとっています。

 

特徴のある2階への階段

2階へのアプローチは広い階段。踊り場が広く、イスが並べられておます。

 

ユニークな竹製の手すり。壁面を漆喰ではなく、暖かい木製の腰板で表現しています。

 

広い踊り場と並べられたイス。

 

2階の講堂

広い講堂に演壇があります。天井や床面、演壇の良質の木材を使い、温かみのある和の空間が印象的です。

 

昭和の初めの建造物ですが、柱が中央に1本もない構造になっており、しっかりした設計と施工のもとに建設されたことがうかがえます。

なお、設計・施工は大阪橋本組によることがわかっています。

 

ていねいに造られた講堂の天井。

 

広い窓からは、金剛・葛城の連山が望めます。

 

礼拝室と拝殿

この部屋だけ和室になっています。

 

本館2階から見た教室棟

寄棟平屋建ての教室棟には3つの教室があり、渡り廊下でつながっています。

 

窓を大きく取り、採光をよく考えられた建物です。

 

 

本館の玄関より見た教室棟

本館前の真竹の竹藪と大きな楠が印象的でした。

里山の豊かな自然と落ち着いた環境が感じられました。

見学に当たり、桃花塾の関係者の皆様に大変お世話になりました。またこのブログでご紹介することを快諾していただき、感謝申し上げます。

引用文献:いのち育む―桃花塾の環境と施設 社会福祉法人 桃花塾 2016.2

      桃花塾100年の歴史 社会福祉法人 桃花塾 2016.2

撮影日:2022年10月18日

2022年11月1日(HN:アブラコウモリH )

 

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