〈リバイバル・アーカイブス〉2022.10.10~10.24
原本:2019年3月19日
富田林市本町8 本町公園南側 改修工事前の煉瓦塀
公園の木々とよくマッチした煉瓦塀でした。
この煉瓦塀は明治41年(1908)にここに富田林警察署が富田林町14(旧寺内町の富田林保育園のところ)より移転して来た時に作られたもので、風格のあるイギリス積みの煉瓦塀でした。(警察署は昭和36年に現在の常盤町に移転。)
ところが、 耐震性に問題のあるブロック塀・煉瓦塀の改修を進めている富田林市より、この公園の煉瓦塀についても耐震基準に適合した塀に変更したい旨の説明が近隣の住民にありました。
2019年2月8日 改修工事のため、移設できる植栽は手前に移動
公園とよくマッチしたこの煉瓦塀を惜しむ市民の方もおられ、耐震基準を満たした形でなんとか保存できないか住民と市の相談の話し合いがもたれました。
2019年2月12日 12:12 改修工事の着工
相談の結果、文化財課の協力を得て、保存と安全性の両立という観点から、安全性に問題のない程度の、地面から1.2m(公園側からは50cm)残して、割竹風の垣根で仕切る内容に変更していただきました。工事は2019年2月12日より着工しました。
2019年2月16日 9:11 取り崩し中の煉瓦塀
花壇からは50cmの高さまで残ります。
2月16日 9:13 工事期間中に取り崩された煉瓦。3月7日完成予定。
煉瓦と煉瓦の間の モルタルに金属ヘラを入れると簡単にはがれます。
これが地震に弱い点かと思われます。
花壇から50cm、地面から1.2mの残す高さまで取り崩しているところです。
必要な高さまで取り崩されました。
3月11日 10:19 手前を割竹風の垣根で覆って完成。
煉瓦と垣根、植栽とがよく合っています。
重厚な雰囲気はなくなりましたが、落ち着いた雰囲気でよく馴染んでいます。生き残った煉瓦塀。
すこし隠れてしまいましたが、イギリス積みであることはわかります。
横から見るとこんな感じ。110年間以上生き残った煉瓦塀。取り外した煉瓦二十数個は旧田中家住宅に保管されています。煉瓦は無刻印でした。
これ以外でも以前の工事で北側の本町交番の基礎部分が残されています。
2017年8月9日 富田林市本町5 富田林街道沿いの私有地の煉瓦塀
以前モルタル塗装された煉瓦塀がありましたが、昨年取り崩されました。
川原石(丸石)の石垣の上に花崗岩の長方形の切石を置き、煉瓦を積んだ構造でした。モルタルのはがれた所から、煉瓦が見えます。
地震の時、道路側に倒れる危険性があるからだと思われます。
2019年3月19日 HN:アブラコウモリH
昨日、今日までは普通の風景でも
年月が経てば、懐かしい風景。
記録・記憶の重さが感じられます。
いつも、ありがとうございます。