〈リバイバル・アーカイブス〉2022.9.12~9.26
原本:2020年7月19日
近鉄 富田林駅の気になる木
富田林駅の南出入口の右脇にある古そうな木、高さが8m前後、幹回りが3~4mはありそうな大きな木です。
駅のリニューアルの時にも切られずに残り、また周りをギリギリまで舗装で固められても、また全然剪定されなくてもなんとか生き残っています。
形もあまりよろしくないこの木が、なぜここにあるのでしょうか?
気になる木ですね。
この木はいったい何て言う木なんでしょうか?
7月に写した写真では、5ミリほどの丸い実を付けていました。
幅の広い葉っぱで元は丸く半分から先はキザキザです。そして、元から葉脈が3つに分かれています。
表側は色の濃いつやのある葉っぱですね。
知識のある方にお聞きしたり、図鑑で調べたりして、この木が榎(えのき)であることがわかりました。
長年の歳月を耐えてきた太い幹。
風雨や猛暑に耐えてきた力瘤のような根元。
幹の傷が痛々しい。
この木がなぜポツンとここに昔からあるのでしょうか?
実は、私の記憶なので間違いがないかと言われると定かではありませんが、昭和の時代に「楠氏遺跡里程標」は現在の位置よりもう少し駅の改札側にありました。その碑の脇に別の大きな楠があり、楠らしく上にも横にも枝が張っていました。
そして、この榎の木も昔からこの位置にあり、榎と楠の間を路線バスが往来していました。
里程標の下はこの2本の木で大きな木陰ができ、うす暗いくらいでした。
いつしか大きなバスに成長した枝が当たるようになり、この2本の木が切られる日がやってきました。
まず、大きい楠を伐採するに当たり、この木を切られた方がけがをされたそうです。
そして、不幸を恐れて、2本目のこの榎を切ることができなかったそうです。
木の精というのでしょうか、何か宿すものがあったのかもしれません。
幸いこの榎は生き残り、そして平成の大がかりなリニューアルにも木を切る話は出なかったようです。
生あるものを後の世代にも残す大切さを改めて感じさせてくれます。
今も青々と茂るこの榎は樹齢どのくらいなんでしょうか?
明治31年(1898)にここに河陽鉄道(現 近鉄)が敷設され富田林駅ができました。もし樹齢が120年を超えているとすれば、この木はそれ以前にここあった富田林村、新堂村、毛人谷村の惣墓(共同墓地)の木ということになり、さらにその後の富田林駅の人々の往来をずっと見てきたことになります。
河陽鉄道を引き継いだ河南鉄道の機関車
当時電車ではなく、黒い煙を吐くの蒸気機関車が走っており、駅の周りには何もありませんでした。駅から延びる墓道(現 本町通り)が富田林村に向かっていました。
西山墓地 明治31年、現在の富田林駅にあった共同墓地をここへ移転させました。
そしてこの木は、それ以前は駅のできる前にあった3つの村の共同のお墓を見守っていた木なのかもしれません。木はお墓の入口にあったそうです。
〈記事追加〉2022.9.13
以前に樹木医の浅川さんにおうかがいしたところ、この木はまだ120年も経過していないということでした。
富田林駅ずっと守ってきた木なんですね。
昭和30年頃の写真がでてきました。楠(右)との間が狭くなっているのがお分かりいただけると思います。
この榎という木は木陰をつくる木として重宝され、街道の一里塚やお墓に植えられていたということです。
あまり格好の良い木ではありませんが、富田林駅を見守る木としていつまでも大切にして、残ってほしい木です。
富田林駅 北口ロータリーの市の木 楠と市の花 つつじ
富田林市の市の木は楠です。また市の花はつつじです。
なるほど、駅の北口ロータリー(近鉄バス側)には、大きな楠と真っ赤なつつじの植え込みがあります。
田林駅 南出入口 榎の古木と市の花 つつじ
富田林駅 南出入口の榎の古木と市の花 つつじ
南出入口にもつつじの植え込みがありますが、この大きな木は楠ではなく榎です。
とんだばやし寺内町の玄関口に市の木が植えられていないのは、こういう深いわけがあったのかもしれません...
2020年7月20日 ( HN:アブラコウモリH )
辰じいです。
コメント欄に写真は無理なようなので、こちらで失礼します。
この写真の木は、記事では「楠」の様ですが・・・・・・・
こちらの冊子に掲載されていました。
今週中に梅雨明けでしょうか?
梅雨が明ければ暑い夏が・・・・・・
(コロナの話は、もう要りません!!)
辰じいでした。
2020/7/27 15:20
そのころは南出口からも、近鉄バスが出ていて、(というより北出口はなかった。)なんと2階建てバスで、阿倍野 近鉄まで運行していました。母親と姉とで、そのバスの2階建ての最前列に乗り、近鉄百貨店に行った記憶があります。
もうかれこれ60年近い昔の話ですが...
本記事にリレ投稿しました。
「楠」の様ですが・・・・・・