アンティークマン

 裸にて生まれてきたに何不足。

カラスにウイスキーを飲ませた 後編 

2008年06月18日 | Weblog
還暦パパによる鳥類とアルコールに関わる学術研究 

落語に、「酒に漬けておいた米を撒いて、ピーナッツを転がしておく。すずめがその米を食べて酔っぱらい、ピーナッツを枕にして寝る。」と言う話がある。10数年前、小学生だった息子たちと、この落語について実践してみることとした。コッペパンにウイスキーをたっぷりしみ込ませて外に置いた。ピーナッツは撒かなかった。長男がトンボ捕りの網を持って物陰に隠れていた。
 目敏くパンを見つけて舞い降りたのは・・・目的のすずめではなくカラスであった。しかも、ハシブトガラス。巨大なやつで、翼を広げると1メートルはあった。出刃包丁のようなくちばしで簡単にウイスキー入りコッペパンを飲み込んでしまった。息子は、目の前の大きなカラスにびっくりして動けない。カラスは人の気配を感じ飛び去ろうとした。ところが、翼を広げて扇いでも飛び立てない。泥酔状態で、カラスながらも千鳥足なのである。カラスのうろたえようといったらなかった。やがて、二メートルほど上がった。しかし、平衡感覚が失われており、落下。受け身なし。小気味いいほど地面に叩きつけられた。ドスーンと轟音が響いた。人間もそうであるが、カラスも酔っていると高いところから落ちても怪我をしないことが分かった。カラスはもがきにもがき、ようやく三メートルほどのななかまどの木にのっかった。そこで十秒ほど休憩して、多少斜めではあったが飛んで行った。
 貴重な知識を得た。カラスの研究者でも、カラスにウイスキーを飲ませる実験をした人はいないでしょう。
 < カラスとアルコールに関する実験結果>
1 カラスは、アルコールの効きが大変早い。瞬時に酩酊となる。
2 カラスは、アルコールが醒めるのも早い。60秒で飛び立てる。  
 特記すべきは、「ウイスキー飲ませ事件」に係わり、そのカラスからの復讐がなかったことです。きっと酔っぱらって良くおぼえていないのでしょう。

 現在、我が家周辺を縄張りにしているカラスは2羽。まさか、ウィスキーを飲ませる計画が進行しているとは夢にも思っていないでしょう。しかし、奴らが調子に乗りすぎた場合、私は飲ませます。
 唯一気がかりなことは、鳥獣保護法です。日本は、鳥獣の狩猟、捕獲は厳しく規制されています。還暦のオヤジがカラスにウイスキーを飲ませていじめたとなると、禁固刑かも。しかし、よく読むと、「学術研究のため、または農林業など人間生活に被害を与える場合などには、特別に許可を受けて捕獲をすることができる」とい書いてある・・・私の場合、当然学術研究である(どこがって?)。生活に被害を与えられている(コレホント!)。この2点から、情状酌量無罪放免・・・ですね。
 農作業を始めると、「出てきたなあ!働け働け!」と、蚊のように人の周囲を飛び、いたずらのネタ探しをするのです。完璧になめられています。