アンティークマン

 裸にて生まれてきたに何不足。

学ぶ姿勢がいいです ちばりよぉ~沖縄

2008年11月24日 | Weblog
  県をあげて学ぶ ちばりよぉ~沖縄

 全国学力テストで、沖縄県は2年連続最下位。
 県教育長は、「昨年の結果を受けて学力向上対策のスタートを切った矢先。昨年並の全国との差と考えていたが、8科目中6科目の差が縮んだ」と、述べた。
 指をくわえて見ていたのではなく、対策を講じていた様子。

 沖縄は、返還される前、1965年の全国学力テストでも全国最下位でした。そのときの、ブービーが隣県の鹿児島県。ところが、鹿児島県は、その悔しさをバネにみるみるうちに、九州のトップに躍り出た。薩摩藩の意地でしょうか。
 それを見た琉球政府は、鹿児島に学力調査団を送った。鹿児島に倣って何とかしたかったのだが、40年以上経った今も「学力の実態」は変わっていない。

 なぜ学力調査をするか?「子どもの学力=地域の力」つまり、都道府県の力であり、日本の力。だから、把握しなければならない。OECD生徒の学習到達度調査(PISA)を見ると、解りやすい。これからどこの国が伸びてくるか?学力テストがそれを示してくれる。
 都道府県益の確保という観点からも、学力が影響する。国政を動かす高級官僚の多少は、出身都道府県にとって少なからぬ影響を及ぼすのは間違いない。経済界・学界もおなじ。

 そこで沖縄県は考えた、「全国学力テストで2年連続好成績を収めた秋田県と、小中学校教員の人事交流を図る」40年ほど前に、鹿児島へ調査団を送ったことを彷彿とさせますねえ。同じ土地に住み、同じものを食べていると、当然発想が似るんですね。私は、この考え方支持します。解らなかったら解る人に訊けばよい。どうせ学ぶなら、46位に学ぶのではなく1位に学べばよい。恥とか外聞とか滑った転んだは全く関係なし。立派な態度です。
 今回は、「人事交流」というだけあって、相互派遣になるようです。先進県を視察・研修する一方通行ではなく、秋田の先生も沖縄へ行く。交流は来年度から1年単位で当面3年間実施。

 秋田の教育長も偉い。秋田が日本一だから、沖縄の面倒をみてやろうかという高飛車な態度ではない。「沖縄との交流で、沖縄のいいところを学べると思う。実際、沖縄の子らには学力テストの順位だけでは測れない無限大の可能性を感じる。スポーツや芸能など幅広い分野で若い人たちが数多く活躍しているのがいい例だ」と、話している。
 「隗(かい)より始めよ」ということわざがあります。「言い出した人が、始めなさい」という意味になっていますが、元々は、「遠大なことをなすときは、まず、卑近なことから始めなさい」という意味。沖縄県の取り組み、「隗より始めよ」ですね。「隗」はなんなんだって?ことわざの元々になった人名「郭隗(かくかい)」から来ています。

 沖縄県が教育に関わって抱えている問題は、学習する環境に乏しいということです。家庭・地域の、「学力向上」に関わる意識が希薄。家庭の意識と関連深いのですが、「朝食を毎日食べているか」「学校のことで家族と話しているか」「家族と夕飯を一緒に食べているか」などの質問に、全国平均に比べていずれも5ポイントほど低い。夜更かしが過ぎ、規則正しい睡眠がない。朝食の時間もなく、親とのコミュニケーションもほとんどない。これらは、学力以前の問題です。40年前、鹿児島を視察し、「学校教育」については何らかの手だてを講じてきたはず。しかし、「学力」は変わらなかった。
 この度は、秋田県に学ぶ。秋田と同じ授業をしても学力は伸びませんよ。家庭と地域を変えなければ。机に向かわせるのは、二の次三の次で良いのです。徹底的、強制的に、「基本的生活習慣」をたたき込む。これが出来なければ、40年後も最下位間違いなしです。

 全国学力テストに、昨年77億円、今年58億円かけた。そんな予算があるのなら、教員を増やしたり、30人学級にできるだろう。それが、学力向上への近道だ…。このような意見も多いです。しかしこれが大間違い。教員を増やしても、学力は向上しません。「教員」は、人間です。皆「同質」はあり得ません。ピンからキリまで。キリを増やせば学力はむしろ低下しますよ。
 少人数学級なら学力が上がる…では尋ねるが、その説で行くと、マンツーマンで授業すると、学力が上がって上がって、大変なことになることになる。そんなことはあり得ないことは、多くの人が経験則から分かっているはず。100人学級だって、ピンの教員が指導すれば、学力は上がります。