アンティークマン

 裸にて生まれてきたに何不足。

埋蔵金でアイスランド支援…

2008年11月20日 | Weblog
  漁業と捕鯨の同盟国アイスランド

 スーパーの魚売り場。魚のパックに、産地が書かれている。あるスーパーの魚の産地表示、「太平洋産」には、笑った。確かに太平洋産なのでしょうが、「三陸沖」「伊豆半島沖」「南知多産」など、もっと書きようがあっただろうに・・・地球は丸いから、沖へ出てしまうと太平洋産としか言いようがないか。今のところ、産地は、「海」という表示にはお目にかかっていない。
 数年前から、産地表示に、「アイスランド産」が目につくようになった。日本も魚を輸入する国になった。いいのか悪いのか?か!久しぶりに、「赤魚 アイスランド産」を煮付けにしていただいた。身が締まっていて美味しかった。

 アイスランドは、ヨーロッパで、グレートブリテン島につぐ大きな島。北海道より少し大きい。人口は31万人。ヨーロッパ最大の氷河があり、火山活動も世界有数。その「氷と火」の景観は地球上でもっとも月の表面に近いといわれている。そのため、アポロ計画の宇宙飛行士達は(月を想定して)アイスランドで訓練を行っている。 
 旅行する楽しみとしては、夏は白夜(コレは楽しいかどうか…)、冬はオーロラ(これは、楽しい)。バードウォッチングも出来るそうですが、カラスとハクチョウの区別なら得意ですが…小鳥は皆同じに見えるので興味なし。ホエールウォッチングにも絶好…何度か見ているんですが、鯨を見てもあまり感動がない。温泉があちこちにあり、石油資源を使わなくてもいいので、空気がきれい。首都のレイキャヴィックは、「もっとも空気がきれいな都市」といわれています。

 そのアイスランドが、国家存亡の危機に直面しているという。
 魚を獲って、地道にやっているとばかり思っていたのに、 ここ数年、金融立国を目指していたのだという。ところが、例のやつ、米国発の金融危機が飛び火して燃えさかっているのだと。
 国内総生産(GDP)は、ルクセンブルグ、ノルウェーに次いで、世界第三位と聞いていたので、アイスランドやるじゃないかと思っていた。ちなみに、日本は20位前後(OECDの一人当たり国内総生産、いわゆる名目GDP。このたびの発表では、また下がったのだそうで…)。
 アイスランドは、銀行部門がGDPの数倍にのぼる巨額の負債を抱えてしまっている。それなら、国の財政が破たんするはず。非常事態宣言を出し、国際的な支援を仰いでいる・・・。

 国際的な支援を仰ぐのはいいにしても、私が心配するのは、ロシアから55億ドルを融資してもらおうとしているところ。
 アイスランドは、NATOには加盟しているが、自国の軍備を持たない。米国との間に防衛協定を締結(1951年)し、米軍の国内駐留(ケフラヴィーク空軍基地)を認めていた。2006年に、アイスランドからアメリカ軍が撤退した。
 つまり、空軍基地が空いている。ロシアは、「55億ドル融資してやるから、ロシア軍に、その基地を使わせろ」と、なりませんか?アイスランドとしては、背に腹は代えられないでしょう。「おやすい御用です。ハイどうぞお使い下さい」…なりかねませんよコレ!これが、平和主義者の私が危惧するところ。
 実際、ハーデ首相は「友好国(アメリカ)から支援は受けられない。こんな時には新しい友人(ロシア)を探すしかない」と述べてます。その後、まずいと思ったのか、「軍事協力に結びつくことは一切ないと」と、補足していましたが。ロシアが、担保なしで55億ドル出しますか?

 アイスランド、弱り目に祟り目。鉱物資源がない。森林も、伐採のしすぎで、森林面積が、0.3%。そういえば、アイスランドの紀行番組で、流木で家を建てているのを見ました。土もなかった…。頼みの、漁獲資源は、温暖化の影響で減る一方。そのため市場に出回る魚の価格が上昇、国民が魚を食べられない。国民が凍え、国家が火の車、自然のみならず文化も「氷と火の国」になっています。

 人口、たかだか31万人の国です。魚を食べる国は、いわば姉妹国です。捕鯨国という点でも仲間です。温泉も大好きというのだから、これはもう北極海に浮かぶ日本みたいなものです。日本の埋蔵金を融資してあげてもいいです。担保はどうするんだって?ケフラヴィークを自衛隊に使わせろなんて言いません。2年後、北半球が寒冷化し、アイスランドに魚が戻ってきたらたくさん日本へ輸出していただければよいです。