アンティークマン

 裸にて生まれてきたに何不足。

ちっぽけな人間が犯す過ちの大きさ

2011年06月03日 | Weblog
 …殺されてはたまったもんじゃありませんが、殺人のニュースで、犯人の映像を見たときに、「こんなヤツに殺されたのか!」と、愕然とすることがあります。(もちろん、ルックスが殺人犯風なヤツは殺人OKということでは、決してありません)
 
 私の驚愕のナンバーワンは、麻原彰晃でした。むさ苦しい、薄汚い、でっぷりと太っている、前回風呂に入ったのはいつ?…この男が、「松本サリン事件」「坂本堤弁護士一家殺害事件」「地下鉄サリン事件」などなどで、一体何人殺したか!犠牲になった方々の御家族も、麻原彰晃の容貌に唖然としたことでしょう。悔しかったと思います。
 オウム真理教の事件が、すっかり風化してしまっております。「アレフ」になったあたりまでは、国民の関心も多少はあったような気がしますがね。現在は「Aleph」と「ひかりの輪」がオウム真理教を引き継いでいる。引き継ぐ信者がいるというのが…恐ろしい。

 第二次世界大戦後、一番たくさんの人を殺したのは誰か?麻原彰晃をはるかにしのぐ殺人者がいます。1992~1995年の、ボスニア・ヘルツェゴビナ内戦で、ボスニアのイスラム教徒とクロアチア人の虐殺を指揮したムラディッチ。1995年には、イスラム教徒およそ8,000人を殺害した。民族浄化の名のもとに、「集団殺害」「拷問」「強制労働」「肉体的、精神的、性的暴行」などを行った。欧州における戦後最悪の虐殺事件。
 ムラディッチは、ジェノサイド(集団殺害)や人道に対する罪などで国際戦犯法廷に起訴された。ところが逃げ続けた。15年間!そしてこのほど捕まった。
 
 ムラディッチの容貌…麻原彰晃をさらに巨大化させたようなヤツをイメージしておりました。なにしろ、「最後の超大物殺人犯」ですから。ところが、捕まったムラディッチは、100人中98人までが気づかないほどの萎びたゴボウのような老人だった。逃亡中、2度の心臓発作と3度の脳卒中を起こしたという。
 逮捕後、ベオグラードの戦犯法廷に引き出されたが、審問不能なほど弱っているのだと。

 一人の人間は、いかにもちっぽけな存在です。そのちっぽけな一人が、8,000人以上もの人間を、いともやすやすと殺してしまう。人間が犯す過ちがいかに大きいか…。ムラディッチの逮捕から、人間が犯す過ちの大きさ、当たり前のことなのですが、あらためて考えさせられました。