アンティークマン

 裸にて生まれてきたに何不足。

官僚を使いこなしてこそ政治主導

2011年06月21日 | Weblog
 「政治主導政権」、如何ですか?「素人の政治主導もどき」ですから、危なっかしくてしょうがない。日本の政治家には、「政治主導は出来ない」のです(ブチあげた時から、政治主導を政治家主導と混同して使っているので、その流れでいきます)。
 欧米に出来て、優秀な日本人に出来ないはずがないだって?培ってきたバックグラウンドが違うんだから、出来ないのです。
 アメリカの議員の前職・・・35%が法律の専門家
 ドイツの議員の前職・・・・32%が上級国家公務員
日本の国会議員の前職・・・27%が地方議会議員、20%が政治家秘書、8%が政党職員
 この数字で一目瞭然。欧米の政治家の多くは法律や行政の専門家です。日本の場合、職業としての政治家。つまり、「選挙のプロ」。
 法律や行政の専門家なら「政治主導」が出来ますが、選挙の専門家には無理。

 事実、予算だって、「財務原案」が「政府原案」ですから、これで政治主導でございますと言えるのか?政治家が関わっているから政治主導というのであれば、自民党政権の時だって政治主導だったということになる。
アメリカは、予算の一つ一つの内容が議会で審議されて、成立への運びとなります。

 日本の法律は、成立する法律のおよそ9割が政府提案です。(各省の担当部局が内閣法制局などと詳細をつめた上で国会に提出する)もちろん、最終的に決定するのは、国会(国会議員)です。つまりは、日本の法律は政治家ではなく、官僚がつくっている。政治家だって携わっている?携わるのは、主導ではないでしょう!予算も法律も、官僚主導であって、政治家ではないのです。アメリカの政治家の役割の大部分を、日本では官僚が担っているのです。

 だから、「政治主導」という看板はとっとと下ろしていただきたい。政治主導は民主主義体制の下では当然のことなのだから、看板を下ろさなくてもいいって?だったら、なぜその当たり前のことを、いかにも新しいことのようにぶちあげたのよっ!ぶちあげておいて、何もできていない。それどころか政策課題、つまり足かせになっている…。

 「反官僚」「脱官僚」…野党が言うなら解るが、与党が…。官僚はいわば実働部隊。実働部隊を動かさないというなら、政治家がそれに見合った働き、つまり実働部隊になりなさい!ね、無理でしょ。