ブータンは、「国民の幸せを一番に考えた政治」をしている。そして、国民幸福度(GNH:Gross National Happiness)で世界1位。
「GNHの立脚点は、人間は物質的な富だけでは幸福にはなれない。経済発展と近代化は、人々の生活の質および伝統的価値を犠牲にするものであってはならない」
この言葉に、全てが語られています。早い話が…
お金があるから幸福ということではないよ。
人の心を経済発展と引き替えに荒んだものにしてはいけませんよ。
尾上菊五郎のように、歌舞伎にレディ・ガガやAKB48を採り入れるようなことをしては、伝統の価値を無にする。伝統を重んじなければ幸せにはなれない。 …と、いうことです。
民族衣装着用の義務。これは、横暴のようですが、伝統を重んじる全く素晴らしいことだと思います。誤解を恐れずに私見を述べさせていただくと、「命令に従える国民の割合が多ければ多いほど幸福な国だ」と、思います。それなら北朝鮮は幸福な国なのかって?野外で飲んだお茶の残りを地面に捨てようかどうか迷う…お茶の残りを捨てて、アリが死んだらどうしようと悩む…つまり、アリ一匹の命までも大切にする人々の代表である政府の命令と、独裁者の命令とは、全くちがうモノです。北朝鮮の多くの国民は、不幸です。なぜそう言い切れるかって?言い切れます。「餓死」することは幸福ですか!
命令と書いたので、「おいおい!」という人が出てくる。道徳とか、決まりとか、法律に置き換えてもいいです。「法律を守る国民の割合が多ければ多いほど幸福な国だ」…これなら異存はないでしょう。
「国土に占める森林の割合を60%以上に保つ」この法律も、守れば幸福になります。現在は、60%にまでは余裕があるそうです。
「医療も教育も無償」…これについて知り得た実情は、「学校へ通えない子がいる」ということです。これには、大きく二つの理由があります。一つは、「学校までの距離が遠すぎて通えない」。頑張って通っている子の例としてガイドさんのお話では、片道四時間、往復八時間の道程を徒歩で学校へ通っている子がいるということです。
もう一つの理由は、「貧困」です。授業料は無料でも、制服(ゴ、キラ)、ノート、鉛筆は自分持ちなのです。
病院については、貧困の部分は問題ないのですが、なにしろヒマラヤに位置し、山に挟まれ孤立した村も数多くある。四時間歩いて病院へ行ける人は…はじめから病院へ行く必要がない。道路も整備と輸送手段、これが緊要な課題です。
貧困問題ですが、ブータン政府は、「貧困の削減」を進めています。2013年までに、「貧困線」以下の国民を15%以下にするそうです。(2007年の時点で、23%)。なお、貧困線は、手相にある線ではなく、「生活に必要な最低限の物を購入することができる最低限の収入水準にあるか否か」を表す統計上の指
標です。国民の幸せを目指した国づくり…「富では幸福になれない」と、言っても、お金は必要なのです。
ブータンの収入って何だ?ですが、政府の歳入において自主財源からの収入は7割程度。インドへ水力発電の電気を売っている…これが、大きな収入でしょう。残りの3割は、他国からの援助。この、3割が、なんとも危うい。いつ打ち切られるかわかりゃしない。だったら、GNHなどと言わずに、GDPを上げることを考えなければならないだろうって?ブータンは、GNHとGDPを対立概念とはとらえていませんから、当然GDPを上げる努力もします。GDPは、GNHの一部という考え方。
「一か月間、埼玉へ行ってきた」という、ブータン人の若者が、日本の感想を語ってくれました。
「別世界でした…!」
国民総幸福量がかなり低い国である日本へ来た、国民総幸福量世界一のブータンの若者が、「日本は、別世界…」と。「ユートピア」とか「幸福な国」とは言いませんでしたが…。「日本人は幸福だろう!」と、思っていることは確かかと。
ブータンは、2008年に立憲君主制に移行しました。
そして2011年、つまり今年の6月末に、ブータン全国205地区の地区長および副地区長を選出する地方選挙が行われました。全国津々浦々まで民主化・地方分権化の波を行き渡らせたわけです。
投票率は、56%。これは、国民が「自分は幸福だ」と感じている国民の割合である90%に比べるとぐっと低いですが…。
「GNHの立脚点は、人間は物質的な富だけでは幸福にはなれない。経済発展と近代化は、人々の生活の質および伝統的価値を犠牲にするものであってはならない」
この言葉に、全てが語られています。早い話が…
お金があるから幸福ということではないよ。
人の心を経済発展と引き替えに荒んだものにしてはいけませんよ。
尾上菊五郎のように、歌舞伎にレディ・ガガやAKB48を採り入れるようなことをしては、伝統の価値を無にする。伝統を重んじなければ幸せにはなれない。 …と、いうことです。
民族衣装着用の義務。これは、横暴のようですが、伝統を重んじる全く素晴らしいことだと思います。誤解を恐れずに私見を述べさせていただくと、「命令に従える国民の割合が多ければ多いほど幸福な国だ」と、思います。それなら北朝鮮は幸福な国なのかって?野外で飲んだお茶の残りを地面に捨てようかどうか迷う…お茶の残りを捨てて、アリが死んだらどうしようと悩む…つまり、アリ一匹の命までも大切にする人々の代表である政府の命令と、独裁者の命令とは、全くちがうモノです。北朝鮮の多くの国民は、不幸です。なぜそう言い切れるかって?言い切れます。「餓死」することは幸福ですか!
命令と書いたので、「おいおい!」という人が出てくる。道徳とか、決まりとか、法律に置き換えてもいいです。「法律を守る国民の割合が多ければ多いほど幸福な国だ」…これなら異存はないでしょう。
「国土に占める森林の割合を60%以上に保つ」この法律も、守れば幸福になります。現在は、60%にまでは余裕があるそうです。
「医療も教育も無償」…これについて知り得た実情は、「学校へ通えない子がいる」ということです。これには、大きく二つの理由があります。一つは、「学校までの距離が遠すぎて通えない」。頑張って通っている子の例としてガイドさんのお話では、片道四時間、往復八時間の道程を徒歩で学校へ通っている子がいるということです。
もう一つの理由は、「貧困」です。授業料は無料でも、制服(ゴ、キラ)、ノート、鉛筆は自分持ちなのです。
病院については、貧困の部分は問題ないのですが、なにしろヒマラヤに位置し、山に挟まれ孤立した村も数多くある。四時間歩いて病院へ行ける人は…はじめから病院へ行く必要がない。道路も整備と輸送手段、これが緊要な課題です。
貧困問題ですが、ブータン政府は、「貧困の削減」を進めています。2013年までに、「貧困線」以下の国民を15%以下にするそうです。(2007年の時点で、23%)。なお、貧困線は、手相にある線ではなく、「生活に必要な最低限の物を購入することができる最低限の収入水準にあるか否か」を表す統計上の指
標です。国民の幸せを目指した国づくり…「富では幸福になれない」と、言っても、お金は必要なのです。
ブータンの収入って何だ?ですが、政府の歳入において自主財源からの収入は7割程度。インドへ水力発電の電気を売っている…これが、大きな収入でしょう。残りの3割は、他国からの援助。この、3割が、なんとも危うい。いつ打ち切られるかわかりゃしない。だったら、GNHなどと言わずに、GDPを上げることを考えなければならないだろうって?ブータンは、GNHとGDPを対立概念とはとらえていませんから、当然GDPを上げる努力もします。GDPは、GNHの一部という考え方。
「一か月間、埼玉へ行ってきた」という、ブータン人の若者が、日本の感想を語ってくれました。
「別世界でした…!」
国民総幸福量がかなり低い国である日本へ来た、国民総幸福量世界一のブータンの若者が、「日本は、別世界…」と。「ユートピア」とか「幸福な国」とは言いませんでしたが…。「日本人は幸福だろう!」と、思っていることは確かかと。
ブータンは、2008年に立憲君主制に移行しました。
そして2011年、つまり今年の6月末に、ブータン全国205地区の地区長および副地区長を選出する地方選挙が行われました。全国津々浦々まで民主化・地方分権化の波を行き渡らせたわけです。
投票率は、56%。これは、国民が「自分は幸福だ」と感じている国民の割合である90%に比べるとぐっと低いですが…。