アンティークマン

 裸にて生まれてきたに何不足。

「BLOW HORN」…喧嘩?ありません!

2011年10月23日 | Weblog
 インドは、けたたましい。とにかく、クラクションを鳴らす。しかも、たてつづけに大音量で。それにもかかわらず、「うるぜえぞコラ!」「なんだこの野郎!」というケンカがない。接触スレスレのところへ突っ込んできても、「このガキ!」などと興奮することもない。明らかに無謀な運転をしているドライバーも悪びれることなく、「えへらえへら」で済ましてしまう。
 感心しました。インドで感心するのは、青空排便だけではないということです。

 日本では、うかつにクラクションを鳴らせません。東大阪クラクション殺人事件に代表されるように、クラクションを鳴らせば、引きずり出されて殴る蹴るの暴行を受けます。妊婦が運転する車に追い越されたことに腹を立てた男が、妊婦を引きずり下ろして執拗に蹴りまくった事件も最近ありました。妊婦は、「お腹だけは蹴らないで」と懇願し続けていたという。こういうことが起こる国が日本。いくら、屋根があるトイレで排便しても、クラクションやら追い越しで暴力事件を起こすのでは…情けない国です。女性の屋外排便60%のインドの方がずーっと幸せです。クラクションを鳴らしても、無理な運転をしても、殴る蹴るの暴行を受けたり、殺されたりしなくて済むわけですから。

 ほぼ100%のトラック等の大型の車の後ろには、「BLOW HORN」と書かれています。つまり、「クラクションを鳴らしてください。そうしたら、道を譲りますから」ということ。
 インドの国民は、なぜこれほど温厚なのでしょうか?カレーを食べているから?これも否定できません。文化のなせる業という点では、カレーも文化ですから。なお、日本のカレーライスと、インドのカレーは、別の物でした。知識としては知っていましたが、毎日食べて違いを実感してきました。仏教?もちろんそれもある。
 インドは火葬ですが、屋外での火葬の場合、ほぼ生焼け。それを、川に流す。その川で、水浴び・炊事・洗濯が行われ…川の水はもちろん飲料水となる。
 インダス文明の昔から、「生きることと、死ぬこと」に線引きがない。ですから、「クラクションを鳴らされた。頭に来た!」ということがない。「おう、鳴らしてくれたか。それでは、左へ避けて道を譲ってやろう」…みんながこういう気持ちだからトラブルなど起こらない。

 温厚なインド人ドライバーが怒ったのを一度見ました。車の往来が激しい道の中央に、人が立っていたのです。これには、私もびっくり。急ブレーキで徐行したところ、立っていた20歳前後の女が、手を出したのです。つまり、「乞食」。 さすがのインド人ドライバーも、運転席の窓を開けて、「(ヒンディーで)バカヤロー!(←たぶん…)」と、怒鳴っておりました。

 なお、インドもブータンも、日本と同じで、車は右ハンドル、左側通行です。インドはイギリスの支配下にあったから。ブータンは、インドとの交流が親密だからでしょう。ブータンとインドは、お金も「等価交換(貨幣価値を同じにしている)」です。