タクツァン僧院を眺める展望台までの標高差400m、徒歩ならおよそ1時間を馬で登ろうという目論見…。
「雨のため馬が滑るので、本日はお客さんを乗せません」と…
ガ、ガ、ガーン!目論見は木っ端みじんに吹き飛んだ。どうするアンティークマン?
覚悟を決めました。行けるところまで行って、歩けなくなったところで登山中止。そう決めました。バスの中で待っているという選択肢も脳裏をよぎりましたが、「半歩でも前へ進む男」としては、トライするしかなかった。
歩き始めました。傘をさして…!初めのうちは、けもの道のような道。そして、木立の中には、なんと売店が!もっとも売店といっても、地べたに広げた風呂敷大の布の上に、埃まみれのアクセサリーのようなものを並べただけ。
売店を過ぎるといよいよ道は険しくなった。
あるガイドブックに、「道は整備されている」と書いてあったが、まったく違う。整備という言葉の意味を知らない人が書いたと思われる。実際は、なんの整備もされていない、人が歩くことによって道の体裁が作られただけの道。斜度はきついし、雨でツルツル滑る。運動靴の人は、脱落し引き返していった。滑って登れないほどの急坂。四つ足の馬でも滑って危険というのですから、人間が四つんばいになって歩いても滑るのは当たり前。傘をさしていたのでは、四つんばいになれない。傘はリュックへ仕舞い込んだ。カッパを着ていたので、濡れなかったが、カッパの中は汗でぐしょ濡れ。しかし、歩き出したことへの後悔はなかったです。と、いうか「思考停止」状態…。こういうのを、「無我夢中」というのでしょう。
3,000mという高度も手伝って、心臓は早鐘のよう。
70歳を過ぎている男性が、夢遊病者のようになっていました。看護師である家人が、意識があることを確認し、エスコートに付いた。あとで分かったことですが、この男性は、「登りの記憶は全くない。気づいたら、展望台のカフェで紅茶を飲んでいた…」と。意識がないまま、ひたすら登っていたわけです。
登りはじめて1時間。椎間板狭窄症の私が、展望台に到着。これは快挙です。なぜ、途中でギブアップせずに済んだか?それは、「思考停止の無我夢中」必死だったからです。雨の中の急傾斜のツルツル道。そちらに集中していたため、腰椎もヘルニアもヘチマも気にしていられなかった。「火事場のばか力」というやつですね。
展望台からのタクツァン僧院の眺めは…言葉で表しますと…「なんで、そんな山の中腹の断崖にあるんだ?コラ、トラ!考えて着地しろ」です。おっと、間違えました。「なんと素晴らしい!」でした。
展望台から観たところ、山には、タクツァン僧院の他に5~6の寺院が見えました。聖人たちが沢山来ていたということでしょう。それにしてもチベットから飛んできたトラ、どうしてこの山にだけ集中的に降りたのかねえ?
あと、馬の件ですが…乗らなくて正解だったかも知れません。急峻な道を登るのですから、馬の首にしがみつく格好。その格好で1時間頑張るのは、無理だったでしょうから。
「雨のため馬が滑るので、本日はお客さんを乗せません」と…
ガ、ガ、ガーン!目論見は木っ端みじんに吹き飛んだ。どうするアンティークマン?
覚悟を決めました。行けるところまで行って、歩けなくなったところで登山中止。そう決めました。バスの中で待っているという選択肢も脳裏をよぎりましたが、「半歩でも前へ進む男」としては、トライするしかなかった。
歩き始めました。傘をさして…!初めのうちは、けもの道のような道。そして、木立の中には、なんと売店が!もっとも売店といっても、地べたに広げた風呂敷大の布の上に、埃まみれのアクセサリーのようなものを並べただけ。
売店を過ぎるといよいよ道は険しくなった。
あるガイドブックに、「道は整備されている」と書いてあったが、まったく違う。整備という言葉の意味を知らない人が書いたと思われる。実際は、なんの整備もされていない、人が歩くことによって道の体裁が作られただけの道。斜度はきついし、雨でツルツル滑る。運動靴の人は、脱落し引き返していった。滑って登れないほどの急坂。四つ足の馬でも滑って危険というのですから、人間が四つんばいになって歩いても滑るのは当たり前。傘をさしていたのでは、四つんばいになれない。傘はリュックへ仕舞い込んだ。カッパを着ていたので、濡れなかったが、カッパの中は汗でぐしょ濡れ。しかし、歩き出したことへの後悔はなかったです。と、いうか「思考停止」状態…。こういうのを、「無我夢中」というのでしょう。
3,000mという高度も手伝って、心臓は早鐘のよう。
70歳を過ぎている男性が、夢遊病者のようになっていました。看護師である家人が、意識があることを確認し、エスコートに付いた。あとで分かったことですが、この男性は、「登りの記憶は全くない。気づいたら、展望台のカフェで紅茶を飲んでいた…」と。意識がないまま、ひたすら登っていたわけです。
登りはじめて1時間。椎間板狭窄症の私が、展望台に到着。これは快挙です。なぜ、途中でギブアップせずに済んだか?それは、「思考停止の無我夢中」必死だったからです。雨の中の急傾斜のツルツル道。そちらに集中していたため、腰椎もヘルニアもヘチマも気にしていられなかった。「火事場のばか力」というやつですね。
展望台からのタクツァン僧院の眺めは…言葉で表しますと…「なんで、そんな山の中腹の断崖にあるんだ?コラ、トラ!考えて着地しろ」です。おっと、間違えました。「なんと素晴らしい!」でした。
展望台から観たところ、山には、タクツァン僧院の他に5~6の寺院が見えました。聖人たちが沢山来ていたということでしょう。それにしてもチベットから飛んできたトラ、どうしてこの山にだけ集中的に降りたのかねえ?
あと、馬の件ですが…乗らなくて正解だったかも知れません。急峻な道を登るのですから、馬の首にしがみつく格好。その格好で1時間頑張るのは、無理だったでしょうから。