アンティークマン

 裸にて生まれてきたに何不足。

いやーっ!質素…しかし、「質素=不幸」ではない 

2011年10月06日 | Weblog
 私は、ありのままのブータンを観るだけで満足なのですが、旅行社としては、何か「特別なモノ」を見せたいらしい。人口70万人の国に、700の旅行社があるので競争は熾烈らしい。
 ブータンには、動物の仮面をつけて太鼓を叩きながら踊る…民族舞踊がある。それを見せてくれるという。一国の首都の民族舞踊発表の会場であるから、そこそこ立派な劇場を想像した。しかし、会場は、バラックだった。終戦後の日本の住宅のような…客席は、パイプ椅子が30脚ほど並べられていた。舞台?そんな洒落たモノはない。客席と同じ高さのフロアが発表の場。
 民族舞踊ショーは…男子の仮面をつけた踊り、女子の歌と踊り…これが交互に繰り返されました。ショーの時間は、およそ30分。ただただ素朴…。一生懸命さは十分に伝わってきましたけどね。
 帰り際、女の子が、「自分たちの歌のCDと、踊りのDVDをセットにしたものを買ってほしい」と。30人ほどの観客がおりましたが、誰も買いませんでした。気の毒でしたが、私も買いませんでした。日本へ帰ってから、彼女らのCDを聴く場面はいくら考えても浮かんできませんでしたから。CDプレイヤーを持ってないんだろうって?持ってますよ。だけど、動くかどうかは分からない。

 パロでは、民家訪問というありがたい企画が。訪れた民家は、築300年。 3階建てで、1階は家畜を飼うスペース。2階は生活スペース。3階は、家畜の飼料の保管などの多目的スペース。典型的なブータンの農家です。なぜ、築後300年の家が現役か?これは、太い柱、幅の厚い木の床でできているからでしょう。柱の太さは、直径50cm超。ゾウの襲撃にも耐えられる!
 300年の家は珍しいこともあり、現国王が訪問したこともあった。現国王と、この家の娘さんが写っている写真が自慢げに飾られてありました。

 民家で驚いたのは、「仏間」。12畳ほどの広さ。中央に大きな仏像が置かれていました。もちろん、マンダラあり、例の果樹の下にいる象の上に猿、鼠、鳥が乗った絵が有り、十二支の絵があり。さながら寺院でした。

 茶の間では、バター茶の接待がありました。米を炒ったものや、ヒエのようなものを炒ったお茶うけも。さらに…待ってました!「固形酒」も振る舞われました。
 茶の間の中央には、鉄板(トタン?ブリキ?)製の薪ストーブが。煙突が室内を通って外へ。懐かしい50年前の我が家そのものが、ブータンの民家にありました。