アンティークマン

 裸にて生まれてきたに何不足。

道具なしで煉瓦をどう運ぶか?

2011年10月24日 | Weblog
 ブータンでは、10万人のインド人が道路工事人として働いている。日当は、300円。間違いではありません、300円です。雨が降れば土砂崩れで道路が寸断される。ヒマラヤの斜面の道なので、拡幅などできない。地球に雨が降る限り、永遠にブータンにおけるインド人道路工事人の仕事はなくならない。

 寸断された道路の復旧は、手作業で行われる。道具は、スコップと大きなハンマー。以前にも書きましたが、重機などない。高価な重機が崖から落ちていったのでは大損害ですから。
 一本のスコップを2人で使う。1.5mほどのヒモをつけて一人がスコップを土砂のところに刺すと、もう一人がヒモを引いて土砂を掻き出す。
 大きな岩は人数をかけても動かないので、ハンマーで割って小さくして動かす。工事人たちの仕事として、岩をソフトボール大に砕く作業もある。こうしておくと、道路補修に使える。土砂災害で出た岩を崖下へ転がすのではなく、利用する…!

 10月13日、ブータン国王の結婚式がプナカ・ゾンで行われました。日本からは、皇太子が出席するだろうと思っていたら、日本からは、斎木昭隆駐インド大使夫妻が出席した。駐ブータン大使は出席しなかったのかって?斎木さんが、駐ブータン大使を兼務しています。ブータンには日本大使館がないのです。日本にも、「ブータン大使館」は、ない。つまり大使交換をしていない。
 斎木さん御夫妻は、インド人道路工事人が手作業で復旧させたあの道をプナカまで行ったわけで…航空交通手段がないから。交通信号機がない大動脈だから速いだろうって?何度も書いている通り、平均時速20kmです…。

 道路工事は人力。家を建てるのももちろん人力。建築中の家で、煉瓦を運ぶ女性を見ました。カゴへ入れて運ぶんだろうって?違いました。頭に2つの煉瓦を並列に並べその上に積み上げていく。6~10個の煉瓦を一度に運んでおりました。手伝いの7~8歳の女の子は、並列にするほど頭が大きくないので2~3個積み重ねて運んでおりました。私の場合、頭頂部が平坦なので、3個並列で5段重ね…つまり、15個を一度に運べ…ないですね。頸椎捻挫してしまいます。
 茶摘みの女性たちも、10~12kgの茶葉が入った大きな風呂敷の運搬に頭を使っておりました。風呂敷包みの茶葉を背負うのですが、風呂敷の先端を額にひっかけておりました。額は頭じゃないだろうって?眉から上は、頭なのです。