アンティークマン

 裸にて生まれてきたに何不足。

蒸気機関車のトイ・トレインで、世界最高の駅へ

2011年10月20日 | Weblog
「ダージリン」…この名の響きは、還暦を過ぎた人には心地よいはず。少なくても、私には心地よい。「紅茶」の最高峰に輝く、ダージリン!。味が分からない私の場合は、名の響きだけで、「美味い」と、つぶやいてしまう。産地偽装のダージリンでも関係ない。ダージリンは、その響きだけで美味いのです。
 よって、「ダージリンへ行かずして、なんのインドぞ」。行きましたよ、ダージリンへ。標高は、2,134m。

 たどり着くまでが…ダージリン行きを後悔させられましたけどね。
 デリーから飛行機でバグドグラ空港へ(都市名は、シリグリ)。およそ、1時間45分のフライト。これは、エア・インディアだと思えば我慢もできる。さてそれからが問題。バグドグラ(シリグリ)~ダージリンまでは、陸路しかなく、距離は110km。110kmは、北海道の高速道路なら、1時間の距離…。当地では…ご、ご、5時間!
 トランクをバス(20人乗り)の屋根に縛りつけて出発。冷房なし、椅子が勝手にリクライニングになるバス…壊れているんです。いつ、エンジンが爆発するか?そういう、日本ではありえないバスに乗って…!もう、褌(ふんどし)を締め直してかからなければなりません。おっと、褌は着用していませんでした。
 シリグリ(厳密には、ニュージャイルパイグリというシリグリの隣町)~ダージリンは、バスの他に、「ヒマラヤダージリン鉄道」という手段があるが、6時間半~7時間半かかるという。「ヒマラヤダージリン鉄道」というとカッコイイが、早い話が、世界遺産の「トイ・トレイン」。トイ・トレインで7時間前後はきつい。なにしろ、標高差2,000mを、軌道の幅が610mmのおもちゃのような機関車で登るわけで…。トイ・トレインでダージリンまで行く観光客は、まず、いないでしょう。

 トイ・トレインには3種類の運行パターンがある。
 その1 シリグリ(ニュージャイルパイグリ)~ダージリン。一日上り下り1本の運行。乗車賃は、500円。安っ!
 その2 ダージリンから30kmの区間を運行。地元住民の通勤通学用。乗車賃は、120~240円。
 その3 観光客用の「ダージリン~グーム間の蒸気機関車」。書き間違えではありません。正真正銘、本物の蒸気機関車。往復の所要時間は、2時間ほど。私は、この蒸気機関車に乗りました。「乗ったぞ」と自慢するために乗ったんですけどね。乗車賃は…ガイドさんが払ったので、不明。

 なお、「グーム駅」は、現在機関車が走っている駅のうちで、「世界で最も標高が高い駅」です。印象?標高世界一という感じは全くしませんで…。

 「ダージリン→グーム間」の様子を詳しく書きますと…
  汽笛を鳴らして発車。石炭を焚いているので車内が煙い。SLは150年前に造られたという。いかにものろいので、沿線の風景や人々の暮らしをのんびり眺めることができる。
 10分ほど走ると水の補給のために停車(およそ10分間)。蒸気機関車ですから、蒸気を作るためには水が必要なのです。
 さらに15分ほど走ると、バタシア・ループというところに着いて、ここで10分間停車する。何のための停車か?水の補給でも、石炭の補給でもなく、機関車を点検しておりました。乗客は下車し、ループ内の花一杯の公園を散歩できる。戦没グルカ兵の慰霊碑が立っており、写真を撮る人も。バタシア・ループを発って10分ほどでグーム駅に到着。ここでSLの向きを変える。往路は、「後ろ向き」で客車を引いてきたが、復路は、「前向き」に引く。なぜかって?たぶん、後ろ向きで進むほうが力が出るのではないかなあ。登り坂は大きな力が必要なので、後ろ向き…。