アンティークマン

 裸にて生まれてきたに何不足。

「遅れて攻めれば、国を制す…!」要注意です

2012年07月17日 | Weblog
 「先制攻撃は日本人の好きな言葉だ。後制攻撃という言葉はない。だから戦略は先手必勝、単純明快だ」という文章に遭遇。
 あ、あのね!日本も、言い方は違うが、「後制攻撃」を意味する言葉はあります。
 先制攻撃は、「先んずれば人を制す」です。中国には、この先制攻撃に当たる「先発制人」があり、「後発制人」もあります。後発制人は、春秋戦国時代に、楚の将軍、臨武君が「敵に後(おく)れて発し、敵に先んじて至ることが用兵のかなめである」と言ったことに由来します。

 日本の、「後制攻撃」「後発制人」に当たる言葉は、「後の先(ごのせん)」です。
 後の先は、相手の動きを見切り実を以って虚を打つ…相手が動いて初めて自分が動き勝ちを取ること。
 私は、武道の用語と思っておりましたが、将棋用語にも、「後の先」があるという。「後手をひいたようで、先手になるような手」… 一旦受けにまわり手番を握られるが、相手も受けにまわらなければならず、結果的に手番を確保できる。

 ちなみに、柔道四段の私ですが、小柄(168cm)なのです。大きな相手に勝つためには、「後の先」を用いなければなりませんでした。組み手が左ということも幸いし、後の先の「移り腰」でどれだけ勝たせていただいたことか。
 自慢話はともかく…後の先…

 第二次大戦…日本が、先制攻撃で真珠湾を…。米国は、全てお見通しだった。暗号を解読して日本軍の動きを知りながら真珠湾攻撃をさせた。「先に攻撃してきたのは日本だよ!米国はやられたんだからね」という証拠を残してから、密かに集結させておいた空母部隊で逆襲に出た。日本にとっては先制攻撃のつもりだったわけですが、米国は、後の先だったわけです。真珠湾で犠牲になった米国人は、ルーズベルト大統領にやられてしまったということです。

 米国には、「Disguised withdrawing」という戦法があるのか?「後発制人」の中国は、今、虎視眈々と、「後発制人の機会」を、狙っています。

 まず、ベトナムをいじめてキレルのを待っています。ベトナム軍が猛反撃しようものなら、「待ってました」とばかりにハノイを堕としますよ。交戦は何度もありますが、なぜか中国は大きく動こうとしない。中国兵にかなりの犠牲が出るのを待っているのでしょう。

 中国とフィリピンは、南シナ海のスカボロー礁の主権争いをしています。ここでも、かなり我慢をしている。後発制人でいこうという、中国軍の戦略でしょう。

では、東シナ海の尖閣諸島については…
中国漁船が引き揚げてしまいました。また、いつ戻ってくるがわからないですがね。それはまあ良いのですが、その代わりに、「漁船救難船」をパトロールさせるのだそうで…。継続的に島々の主権を主張し続けるというわけです。これも、後の先ねらいでしょう。たまりかねた日本が、中国の政府船にちょっかいを出そうものなら、中国海軍が一気に出動でしょう。

 先制攻撃より、「後の先」が有効ということか。