アンティークマン

 裸にて生まれてきたに何不足。

ああ、自慢話!

2012年07月25日 | Weblog
 リタイヤした人に共通してみられる特徴…「自慢話をする」ですね。
 社会の第一線から退くと、疎外感がある。そうなると、自己を顕示したくてしょうがない。ウソでもホラでもしゃべって、相手に自分を認めさせたい。

 会話中に自慢話が出来なかった人は、決まって、「イヤーナ顔」をしてしょんぼり去っていきます。「自慢話欲求」が満たされなかったから。
 自慢話のチャンスを与えて、あいづちを打ちながら聞こうものなら、しゃべるしゃべる!「どうだぁ!尊敬しろよ、コラ!」と、言わんばかりに去っていきます。この習性…利用したほうがいいんじゃないか。

 先日、「××相談110番」の電話番をしました。私ともう一人の方(以下、相棒)が当番。3時間の担当時間のうち、いいのか悪いのか相談電話は2本だけ。つまり、2時間以上、相談員の私と相棒の二人っきり。
 まもなく、相棒のお話が始まりました。
 自分はいかに優秀であるか。あれをやったのは、自分。これをやったのも、自分。 実際は、かなりの粉飾決算。しかし私は、大きく頷いたり、小さく首肯したり、咳払いをしたり、鼻をかんだり…リスナーの技術の殆どを駆使して聞いてあげました。なぜかって?退屈だからです。3時間もただ電話機の前にじっと座っていられますか!習性を利用して、退屈をしのいだわけです。
 相棒は、晴れ晴れとした顔で帰っていきました。情けは人のためならずです。

 誇張した自慢話を信じたかのように聞いてあげたことは、相棒のためにならなかったのではないかって?そうなんですよぉ。何度も話しているうちに、本当に自分がヒーローだったような気持ちになってしまう。つじつまが合わないところを指摘された時のショックは大きい…。
 でも、いいのです。自慢狂は、挫折してもカモを見つけて自慢話をするとすぐに立ち直りますから。こういう、高度な習性も持っているのです。

 正しい自慢狂とも遭遇しました。場所は、よりによって火葬場の待合室。仏様が、骨になるまでの時間、自慢狂氏が、カモを探しておりました。アホ面の私をカモと見た自慢狂氏が近づいてきまして…開口一番
 「俺って凄いんだよ!」
 どうでしょう!?正しい自慢狂だと思いませんか!のっけから、自慢の予告編です。
 当然私は、習性利用の退屈しのぎモードにスイッチを入れましたよ。
 自慢の内容は、高校の公務補時代、「陰の校長」と言われる大活躍だった…のだそう。「陰の校長はあいつだ!」と、知られてしまったら、ぜんぜん陰じゃなくなるのにね。

 そのことで、ツッコミを入れたかって?入れませんよ。下手にツッコムと、「火葬場の乱闘」になってしまいそうでしたから。相手は、陰の校長ですから、どんな卑怯な手を使うかわからない!
 
 私は、自慢話などしたことがない。奥ゆかしく真に立派な人であることが解っていただけると思います。ええっ?それが自慢だろうって?そ、そうかなあ…。