アンティークマン

 裸にて生まれてきたに何不足。

「介護してくれる人=日本を支える人」の時代が…

2012年07月29日 | Weblog
 脳のMRI検査を受けてきた女性が、網子別れに遅刻して参加しました。推定年令は57歳。独身。近くに身内がいない。股関節が悪いらしく、足を引きずったような歩き方。

 なぜ、脳のMRI検査を受けたか…
 「物忘れする。人の名前が思い出せない。毎日顔を合わせている職場の同僚の名前が出てこない。きっと脳がどうにかなっているんだと思って」と、いうこと。

 ビールをググッと飲んだところで、おそるおそる…
 「で、MRIの結果はどうだったんですか?」
 私が聞いたんじゃないです。私はこの人の結果について、全く興味がない。

 MRI女性は不満そうに…
 「それがね、どこもなんともないって、言うんですよ」

 何ともないなら良かったと思いますが、そこで私が興味を示したのは、この女性、あと数年で退職するわけですが…死ぬまでで一人で暮らしていけるだろうか?と、いうことでした。
 「物忘れ」で、脳のMRI検査に行く人ですから、痒ければ皮膚科、咳が出たら呼吸器科、オナラが出たら腸科…腸科なんて診療科目ないだろうって?探せばあるかもよ!
 つまり、総合病院に住み込まなければならないような人。遅かれ早かれ、専門の介護関係者のお世話にならなければならないでしょう。身内に介護してくれる人などいないから。
 日本は、50年後の推計高齢化率では、高齢者4割、現役5割です(厚生労働省)。この割合は、もちろん世界一です。しかも、ぶっちぎりの。50年後まで見なくても、2025年には介護職員が70万人も足りなくなるという(厚生労働省)。
 高齢者が増え現役世代が相対的に減少する…日常的に感じることですが、数字を見せられると、どうすりゃいいんだーっ!と、途方に暮れてしまいます。か、介護してくれる人、い、いるのか?
 「介護してくれる人=日本を支える人」であることが明らかになっていますね。

 日本の介護福祉士をめざし、インドネシアとフィリピンからおよそ750人が来日したことを思い出しました。あの人たちはその後どうしているのか?

 750人が、介護福祉士として働いてくれているとしよう…。
 国元へは、「日本人皆親切。日本の介護福祉士として働くのは楽しい。お給料も使いきれないので、少し送ります。お父さん、新しいステテコを買ってください。お母さん、綺麗なブラウスを買ってください・・・」
 こうなると、「日本で介護福祉士になりたい」というフィリピン、インドネシアの若者がどんどん増えます。日本の将来も安泰です。

 しかし、現実は…日本の将来は、全然安泰ではない。
 …介護福祉士の国家試験が行われ、インドネシアとフィリピンの外国人95人が受験しました。…そうか、750人のうち、655人が受験まで漕ぎ着くことができなかったのか。4年の滞在で一度しか受験のチャンスがないから655人は帰国するしかないわけですね。もったいない。95人はどうなったか…36人が合格…。
 合格した人には、ただただ敬服します。日本人でも合格率が50%前後なのに!36人は立派。ただ、…これは、焼け石に水。
 外国人には、国家試験のハードルを下げるべきです。
 就労期限を延長し、国家試験に複数回チャレンジできるようにする。試験の漢字にはルビをふる。外国人には、試験時間を延長する…措置はいくらでも考えられる。
 なぜ、救済措置を推進させないか?それは、厚生労働省が、人手不足を解消するために、アジアから人材を受け入れているのではないから。
「経済連携の強化、促進」が目的。 インドネシアとフィリピンからの介護士・看護師の受け入れが決まったとき、唐突な感じがしたのはそのためです。
 経済連携の強化、促進というのは、早い話が、インドネシアの資源獲得。フィリピンへの産業廃棄物の持ち込み。高齢者4割の日本社会の到来など、みじんも考えていたかった。

 ここへ来て、本気で外国人介護士の獲得を考えなければならない状況になっています。早くしていただかなければ、 脳のMRI検査女性が、錯乱状態に陥りますよ!その前に、自分の心配をしろって?…出来れば、介護士さんのお手を煩わせずに寿命を全うしたいものですが…。国民は、皆さんそう思っている…。