アンティークマン

 裸にて生まれてきたに何不足。

♪お犬のまわりさん…

2016年03月17日 | Weblog
 雪国の暮らしでとりわけ困るのは、「夏場は2車線の道路が、冬場は雪が両脇から迫るので、1車線となってしまうこと」。前方から車が来たら、どちらからバックして道を譲る…これしかない。喧嘩にはならないのは、雪国で暮らす知恵かねえ?お互い様ですから…。
 「お互い様」…これ、温かい言葉です。相手の置かれている状況への理解や配慮があります。欲得抜きの人間の情があります。
 自分の力では解決不能の状況に置かれたとき、「お互い様ですから」の言葉とともに、助けてもらえたら…どんなにありがたいことか。
 「互」は、縄を巻きとる器の形なんだと。なるほど、よく分かります。「困っている人に救助のロープを投げ、こちらが困った時は投げてもらう。そういうことで世の中はうまく回っていく…」

 「お互い様」、「お」をつけずに、「互い様」とすると…温かくもないし、欲得抜きの人間の情など感じられません。つまり、「お互い様」は「お」がいい働きをしていますねえ。
 敬意を表す接頭辞の「お」。丁寧語と言われていたものを、尊敬や謙譲を表す場合の使い方と区分しました(文化審議会)。
 和語には「お」、漢語には「ご」を付け、外来語(カタカナ語)には付けない…これを原則としたわけで…。

 日本酒は、「お酒」と言いますが、焼酎は、「お焼酎」とはぁ…言いませんねえ。ビールは外来語ですから、「おビール」とはぁ…ありゃ?これ、言いますよね。例外というか、美化してしまったと言うべきか。「おワイン」「おウイスキー」「おマッコリ」…これは言いません。「ビール」はやはり特別なんですかね。どうなってんだぁ!文科審議会!責任者出てこーいっ!

 あと…、「お風呂」は言うが、「おバスルーム」とは言わない。これは原則に合っていますが、「お便所」と言うが、「おトイレ」も言う。カタカナ語なのに、「お」が付いてしまう。
 「♪犬のおまわりさん困ってしまって…」…この歌詞、おまわりさんには「お」を付けるのに、犬には「お」をつけない。差別じゃないのかぁ!人犬問題(じんけんもんだい:人権問題)。

 「お互い様」とはほど遠い所へ来てしまいました…。雪国から始まって、犬のおまわりさんまで来てしまいました…
 閑話休題…「お互い様」には、接尾辞の「様(さま)」か付く。接頭辞が付いてさらに接尾辞までが付く「お互い様」…神様御用達のような言葉ですねぇ!

 文科審議会さーん!神様の領域だと分かったので「おビール、おトイレ」はもう追求しないから、責任者出てこなくていいよーっ!
 「お互い様」を引っぱり出させた雪国の除雪担当!しっかりやれよーっ!