アンティークマン

 裸にて生まれてきたに何不足。

現代なら一冊1万円の本

2016年03月10日 | Weblog
 71年前(1945年 昭和20年)の3月10日、東京大空襲(東京の下町に対する大規模な空襲)がありました。
 敏子の母と妹を奪った空襲の焼跡には、ガラス工場を営んでいた敏子の父が作ってくれたガラス細工のウサギが歪んだ形で残っていました。そして、その父も疎開先でアメリカ陸軍のP51ムスタングの機銃掃射に遭い、敏子の目の前で命を落としてしまった。

 高木敏子さんの、「ガラスのうさぎ(金の星社)」です。累計発行部数は223万部を超えています。高木さんは、「ガラスのうさぎ」と、平和活動を評価されてエイボン女性大賞を受賞しています。

 図書館で、装丁がごっつい「ガラスのうさぎ」を見つけて借りてきたのですが…金の星社から出版されたのは38年前。当時はいわゆるベストセラーでしたから、ミーハーなので大人の私も読みましたがね。中高生に読ませたい本です。
 さて、装丁がごっつい「ガラスのうさぎ」、大きな活字で、漢字にはルビがふってある。「異様?」とも思わず、懐かしく読み終わりまして…一番最後のページをみて、「なんじゃコリャ?!マ、マ、マジスカァ!」と、声を上げてしまいました。

 昭和55年11月3日発行(限定部数500部)…限定?そんなケースもあるのか?驚くほどでもない。
 底本 金の星社刊「ガラスのうさぎ」…底本は、写本や複製本の原本。これも驚かない。
 著者 高木敏子…これは当たり前。
 発行所 社会福祉法人埼玉福祉会…これは少々?ですが、驚くまでもない。
 さて、定価はいくらだと思いますか?な、な、な、なんと!昭和55年発行の本、500部限定だからなのか…4,600円!

 4,600円の「ガラスのうさぎ」を購入した人が全国に500人おられたということでしょうか?
 えっ?今日は何を言いたいのかって?せ、戦争反対(東京大空襲の日)!高木敏子さん凄いっ!(今日は女性の日) 
 で、一番言いたかったのは、4,600円の本が売られていたってこと。昭和55年の大卒初任給は、114,500円ですよ!装丁はごっついとはいえ、一冊の本が4,600円…!