大学時代、銀座三越のお客様苦情センターでアルバイトをしたことがある。
銀座三越は確か地上7階くらい、地下3階の売り場を持つ、
伝統あるデパート。実は地下5階か6階まであり、
従業員のロッカーや社員食堂などがあり、お客様苦情センターも
地下4階くらいにあった気がする。
大学生だった私から見ると、バリバリのキャリアウーマンに見えたけど、
今思えば、20代のヤンキーねーチャンのような女性が5人から8人くらい、
それに主任さんのような30代の男性一人の職場だった。
仕事は、お客様から寄せられるさまざまな苦情に対し、
誠意ある対応をしつつ、時には届けた商品に不具合があると言われて、
同じ商品を取替えに行くことになり、それを届けるのが私の役目だった。
基本的に電話応対は女性。
神妙な受け答えをしつつ、姿が相手に見えないことをいいことに、
髪の毛をいじりながらとか、結構ふてぶてしい態度で、
(そうやってガス抜きしてるんだろうが)
一頻り(ひとしきり)あやまって電話を切った後、
ぼやきと言うかののしりと言うか、
また、あいつから苦情だよ!とか、
まあ、どんな業界も内輪の話は結構面白い。
で、商品が届いたときに壊れていたとか、ウイスキーがわれていたとか、
そんな苦情があれば、同じ商品を持って行く訳だこれが。
私が届けた一人は、
もう何度もウイスキーが割れていると言う苦情がある先だった。
女性陣の感想は、同じ配送先に何度も割れて届く可能性は相当低い。
でも、現場を押さえることは不可能で、
お客様を信じるしかないのが実情との事。
そのお客様は、埼玉の寄居に住んでおり、
銀座から寄居まで、ほぼ一日の仕事はそれで終わる、
私にとっても美味しい仕事だったが、でも寄居は遠かった。
苦情を受けたのは純粋な社員でも、
商品を届けるのは訳の判っていないアルバイトの大学生。
商品を届けたお宅は、新興住宅地に良くある普通の戸建の1軒家。
上品な50代の奥様が出てきて、
ウイスキーが割れているとは何事だとか、
ガラスは捨ててしまったとか、色々私に鬱憤をぶちまけた後、
でもそんなことあなたに言っても仕方ないわよね!
といって、私を解放してくれた。
言っても仕方ないなら言わないで欲しいと私は思った。
給料をもらう仕事は結構大変だとそのとき思った。
そうして、世の中の、ダークサイドなど、
全く知らないうぶな学生も少しずつ大人の世界を知っていったのであった。
銀座三越は確か地上7階くらい、地下3階の売り場を持つ、
伝統あるデパート。実は地下5階か6階まであり、
従業員のロッカーや社員食堂などがあり、お客様苦情センターも
地下4階くらいにあった気がする。
大学生だった私から見ると、バリバリのキャリアウーマンに見えたけど、
今思えば、20代のヤンキーねーチャンのような女性が5人から8人くらい、
それに主任さんのような30代の男性一人の職場だった。
仕事は、お客様から寄せられるさまざまな苦情に対し、
誠意ある対応をしつつ、時には届けた商品に不具合があると言われて、
同じ商品を取替えに行くことになり、それを届けるのが私の役目だった。
基本的に電話応対は女性。
神妙な受け答えをしつつ、姿が相手に見えないことをいいことに、
髪の毛をいじりながらとか、結構ふてぶてしい態度で、
(そうやってガス抜きしてるんだろうが)
一頻り(ひとしきり)あやまって電話を切った後、
ぼやきと言うかののしりと言うか、
また、あいつから苦情だよ!とか、
まあ、どんな業界も内輪の話は結構面白い。
で、商品が届いたときに壊れていたとか、ウイスキーがわれていたとか、
そんな苦情があれば、同じ商品を持って行く訳だこれが。
私が届けた一人は、
もう何度もウイスキーが割れていると言う苦情がある先だった。
女性陣の感想は、同じ配送先に何度も割れて届く可能性は相当低い。
でも、現場を押さえることは不可能で、
お客様を信じるしかないのが実情との事。
そのお客様は、埼玉の寄居に住んでおり、
銀座から寄居まで、ほぼ一日の仕事はそれで終わる、
私にとっても美味しい仕事だったが、でも寄居は遠かった。
苦情を受けたのは純粋な社員でも、
商品を届けるのは訳の判っていないアルバイトの大学生。
商品を届けたお宅は、新興住宅地に良くある普通の戸建の1軒家。
上品な50代の奥様が出てきて、
ウイスキーが割れているとは何事だとか、
ガラスは捨ててしまったとか、色々私に鬱憤をぶちまけた後、
でもそんなことあなたに言っても仕方ないわよね!
といって、私を解放してくれた。
言っても仕方ないなら言わないで欲しいと私は思った。
給料をもらう仕事は結構大変だとそのとき思った。
そうして、世の中の、ダークサイドなど、
全く知らないうぶな学生も少しずつ大人の世界を知っていったのであった。