さて、詐欺コーチの私ですが、中学生を指導することがあります。仕事でも良く言われることに、「お客様に対して業界用語・専門用語は使ってはいけない」があります。ちょっと前に3年生のある選手に、「ストロークする時はしっかり振りなさい!」と指導したら、「ストロークってどういう意味ですか?」って質問されて反省しました。先日は1年生を指導中に、「テイクバックを早くしてボールを待ちなさい!」と指導したら「テイクバックって何ですか?」と質問されました。慌てて、「判らない言葉はすぐ質問してね」と言ったあと、別の機会に「サイドラインを狙って打ちなさい」と指導したら、「サイドラインて何ですか?」と質問されました。コーチのアドバイスが選手に伝わっていない理由が良くわかりました。
最近良い事がない!と言う感じの事を何度か書きましたが、
その中でも、平野選手のドイツへの移籍に喜んだ訳ですが、
昨日は何とナント、古江彩佳選手がメジャー大会で優勝を果たしました。
それにしても思う事は、
いつもいつもゴルフの中継と言うか、
WOWWOWにしてもDAZNにしても、
後からゆっくり見ることが出来るので、
ほとんどLIVEを見ることはないのですが、
(夜中の中継が多いですしね)
本当に偶然ですが、
2019年の渋野日向子選手の全英オープン優勝と、
2024年の笹生優花選手の全米女子オープン優勝。
(2020年の時はフィリピン国籍だったので見ていません。)
そして、昨日の古江彩佳選手のエビアン選手権優勝。
3回の日本人によるLPGAツアーメジャー大会の優勝を、
全てライブで視ることが出来た倖せ。
ゴルフ全米女子オープン 笹生選手、渋野選手が1・2フィニッシュ
そして本日のエビアンですね。
さて、今シーズンの古江選手はずっと好調でした。
LPGAツアーの中で、古江選手の成績ですが、
・ポイントランキング2位(1位ネリー・コルダ)
・賞金ランキング3位(1位ネリー・コルダ、2位笹生優花)
・バーディ取得数1位237個(2位はマデリーン・サグストロム208個)
・ドライビング・アキュラシー(フェアウェイキープ率)
0.8337で4位(1位は0.8598)
・グリーン・イン・レギュレーション(パーオン率?数?)800で1位
(2位はブルック・ヘンダーソンで731)
・Putts Per GIR(パーオンした時の平均パット数)1.7588で5位
なお、1位は1.7473は勝みなみ選手、2位が1.7474で西村優菜選手です。
・60台で回ったラウンド数は28回で1位
(2位はネリー・コルダ選手で24回)
・アンダーパーでのラウンド数は44回で1位
(2位はブルック・ヘンダーソン選手で32回)
・ツアー平均アベレージは69.8871で1位
(2位はネリー・コルダで69.9756、60台はこの二人だけです)
・トップ10位内のフィニッシュ数は9回で1位
(2位はネリー・コルダで7回)
調べればもっと出てくるかもしれません。
この数値を見れば、メジャー優勝も時間の問題と思っていました。
さてこの大会のお話に戻りましょう。
古江選手のスコアです。
コースとしてはパー35・36の71ですが、
初日30ー35でー6、4位タイでスタート。
2日目は30-35でー6、トータルー12で単独トップ。
3日目は33-37でー1、トータルー13で2位タイ。
そして、最終日は33-32でー6、トータルー19で優勝となりました。
さて、最終日の古江選手の動向ですが、
前半はー○○△ーーーー〇でー2でラウンド。
その後、後半もスコアを伸ばせず苦戦していましたが、
後半の後半に猛チャージ。
ーー△ー〇〇〇ー◎で見事優勝と成りました。
さて、優勝したことがわかっている中で、
古江選手の苦闘の事を書いても、
その緊迫感は伝わらないでしょうが、どうしても書きたい私がいます。
最終日前半、2番3番の連続バーディで、
3番が終わってコフリン選手、キリアコウ選手ともー15で並びました。
4番で古江選手がボギーで一歩後退すると、その後突き放され、
8番までに、他の二人とは2打差が付く苦しい展開。
9番で古江さんがバーディを取り一息ついたのも束の間、
コフリン選手もバーディを取りー17。
キリアコウ選手はー16で2位、古江選手がー15で3位。
難しいコースで、ボギーが簡単に出てしまうし、
ダブルボギー、トリプルボギーも珍しくないコース。
全く油断出来ず、でもトップと2打差が重くのしかかるハーフターンでした。
古江選手もまあまあ良いゴルフをしていましたが、
特に優勝を争っていた最終組の2人が古江選手以上に良いゴルフでしたし、
ちょっと前の組のタバタナキット選手も猛チャージ。
10番11番で3人とも伸ばせなかった中、
12番で古江選手はボギーを叩きー14。
トップと3打差の4位に後退しました。
これが本日の最大差であり、
私も優勝は無理かも?って思った瞬間でした。
更に、パティ・タバタナキット選手が、
スタート時点のー9から、最終的に-17アンダーまで伸ばしてくるなど、
やはりメジャーの優勝争いは本当に見応えがありました。
特に最終ホールでイーグルでー17にしたのが素晴らしかったですね。
さて、次の14番からドラマが始まりました。
メジャータイトルが掛かる状況で、
徐々にトップ選手にプレッシャーが掛かり始めます。
14番はパー3ホール。
古江選手はアンジュレーションが複雑なグリーンの中、
(右から左の傾斜で、芝目は左から右と言うラインでした。)
見た感じ約10メートルくらいのパットをねじ込みました。
これで古江選手はー15。
これで、1位ー17,2位ー16、3位が2人でー15。
15番がパー5のホール。
古江選手は3オンでしたが、
距離は先程と同様に10メートルくらいの下りのラインを読み切りバーディ。
キリアコウ選手もバーディを取り、
1位が2人でー17、3位が古江選手でー16、
4位がタバタナキット選手でー15です。
続いて16番はパー3。
古江選手は2メートル程度に付けてバーディ。
キリアコウ選手も1メートル弱に付けてバーディ。
コフリン選手は1オンするも、
10メートル以上の下りのラインで2メートル以上オーバーしボギー。
この日の初ボギーでした。
これで順位はキリアコウ選手がー18、古江選手がー17、
コフリン選手がー16で3位、タバタナキット選手がー15で4位。
もう誰が優勝するかは本当に分からなくなりました。
17番はパー4の右ドックレッグのホール。
第1打、古江選手はフェアウェー左のファーストカット。
キリアコウ選手は左の深いラフ。
コフリン選手はフェアウェイ右サイド。
そして、この時、タバタナキット選手は、
最終ホールでイーグルを出しー17まで伸ばしていました。
その後、キリアコウ選手はアプローチでダフってチョロをしてボギー。
これで、古江選手、タバタナキット選手、キリアコウ選手がー17。
コフリン選手は1メートル強のパーパットを外しー15。
ずっとノーボギーでトップを走っていたコフリン選手ですが、
優勝のプレッシャーに負けた形になりました。
そして運命の最終ホールパー5になりました。
狭いフェアウェイでしたが、古江選手は傾斜で右のファーストカット。
アドレナリンのおかげで、グリーンフロントまで170ヤード程度?
キリアコウ選手は左のラフに打ち込み、
木の枝が打ち込み第2打でグリーンを狙えない状況でした。
コフリン選手はフェアウェイセンターの良いショットでした。
古江選手は2オンに成功し、ピンそば約4メートル?
キリアコウ選手は刻み第3打勝負。
コフリン選手は第2打は奥のバンカーまで打ってしまい、
下りのバンカーショットが残って実質優勝のチャンスは潰えました。
(結局パーでした)
その後、キリアコウ選手は、第3打残り120ヤードを、
ピンそば約2メートルにつけ、その後バーディパットを沈め、
古江選手がバーディならプレーオフとなりましたが、
ここで古江選手は遺憾なく実力を発揮し、
素晴らしい読みでこのイーグルパットを沈め優勝しました。
長くなってしまったのでここで終了しますが、
153センチとスポーツ選手としては小柄な古江選手。
平均飛距離は250.75ヤードで128位。
1位の選手は279.03ヤード。
飛ばなくてもバーディ数1位の古江選手を見れば、
ゴルフは飛距離ではないと言う事が判ります。
これからもガンバレ古江選手!
ガンバレ日本人選手!です。
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