白い航跡を残しながら扁平な相島 ( あいしま ) を後にする
相島は萩港から定期船で約40分、
距離にして萩港から北西へ約14kmの海上に浮かぶ有人島で、
阿武火山群の火山の一つで、約7万年前に陸上で噴火した溶岩台地である。
のちに海面が上昇し、テーブルのような形が特徴的な島になった。
標高157mの大山から続く斜面には多くの段々畑が作られ、
さつまいもや葉タバコ、そして萩西瓜(はぎすいか)の最大の生産地として知られている。
水が豊かでないことから稲作は行われず、昔から畑作に力が注がれてきた。
昭和の始めには蚊取り線香の原料になる除虫菊の栽培が盛んで、
花が咲く初夏には島全体が白く輝いていたという。
スイカ栽培は昭和20年代の終わり頃から始められ、
火山灰を多く含む水はけの良い土壌は甘く実の詰まった良質のスイカを産出し、
今では県内最大のスイカの生産地として
6月から8月の中旬にかけて県内だけでなく北九州や大阪の市場へと出荷されている。