「 ばらかもん 」 は、五島列島方言で 「 元気者 」 の意
今朝、 【 ドキュメント九州 】 と言う番組の、
「 おっが島と娘と歌と 」 という放送を見た。
五島の懐かしい風景と、その方言に心を鷲掴みにされた。
長崎県五島市。風光明媚な島で夏は観光客で賑わうが、
しかしここ50年で人口は半分以下に減少している。
これから先の30年後はさらに半減するとも言われている。
そんな五島を音楽で盛り上げたいと思うミュージシャン・ベベンコビッチさん。
ベベンコビッチさんは、44歳で国家公務員を退職、4年前に故郷・五島へ戻ってきた。
現在も五島弁の方言シンガーとして活躍中で、
東京をはじめ全国でライブを行い、歌を通して五島の魅力を発信している。
音楽の力で人口流出を遅らせたいと考えているが、
しかし、その思いとは裏腹に、娘・はいりちゃんが高校進学で五島を離れることになった。
五島では若者の約9割が高校卒業と同時に島を離れる。
はいりちゃんは、長崎市内の高校に通うため、その別れが3年早く訪れたのである。
「 五島にいると電車の乗り方もわからない 」 し、
「 島にない色んなものを吸収したいから島を出る。 」 という。
でも、島で暮らした4年間も捨てがたい。
長崎空港から東京へ飛び立つ時、島が恋しくなる。
小さい頃から父の姿を見て育ってきた、はいりちゃん。
将来の夢は 「 いつか大きなステージで歌うこと 」 だという。
そこで父・ベベンコビッチさんは、はいりちゃんと一緒に東京でライブを行う。
父と娘が一緒に行う東京初ライブには五島列島出身者の観客が詰めかける。
なっべしゃ ( 泣き虫 ) な親子が迫りつつある春の別れを、語り合うように歌い合う。
それが方言だから、島を離れても生まれ島を思い、
島の人の心を惹きつけるのだと思う。
五島ではないが、沖縄の沖縄言葉 「 ウチナーグチ 」 も同じだ。
宮古島で音楽活動を行っている下地 勇さんも
宮古言葉で歌詞を書き、歌っている。
遠く故郷から離れた場所で暮らしていると
何気ない日常会話でも、それが方言だとグッと来るものがある。
それは、その地方に染み付いたコトバだからこその力であり、
その方言の持つ魔力だと思う。
石川啄木の歌ではないが、
ふるさとの訛なつかし
停車場の人ごみに中に
そを聴きにゆく