去年は大野城市の 「 まどかぴあ 」 で行われた
山崎ハコ、永井龍雲、佐田玲子の3人に井上陽水が飛び入り参加したコンサートだったが、
今年は博多の 「 電気ビルみらいホール 」 で安田裕美と2人だった。
去年、菊池で石橋の探訪を終えて駆けつけてからちょうど1年になる。
去年も感動をいっぱいもらったが、今年もたくさんの感動をもらった。
ファーストアルバムの入曲順に望郷から始まった。
出身地の大分県日田市を唄った望郷にはたくさんの思い出がある。
競輪学校時代にFM東京で聴いた 「 望郷 」 。
その歌詞に日田の風景が目に浮かんだ。
耶馬渓から山国の守実を過ぎると坂道が続く。
坂道をひと踏み、ひと踏みペダルを漕いで峠を越えると、
霧に覆われた日田の町が見えた。
その光景と歌詞が重なって懐かしさに涙が出た。
まさに ” 望郷の念 ” である。
オンボロのトランジスタラジオで最初に彼女の歌を聴いたのは競輪学校だった。
彼女が大分県日田市出身のシンガーだということで強い親近感を感じた。
曲のタイトルと同じノスタルジックさと、
心情的な現実性の歌詞と透き通った声からくる黒と暗いイメージ。
か細い声でトツトツと語りかける独特な雰囲気に惹かれた。
丁度その頃よく聴いていたFM東京で彼女の特集があり、
彼女のサインが書かれたポスタープレゼントの応募があった。
記憶は定かではないが、たしか 「 1名様にプレゼント 」 だったような気がする。
そのポスター欲しさに、放送局宛に分厚い手紙を書いた。
高校時代、日田まで自転車で練習に通っていたことや、
日田駅前のパン屋で小銭を出してパンを買い、
お金がないので日田駅の洗面所の水道で水を飲んだことなどを書いた。
すると、ほどなくして彼女のサイン入りのポスターが競輪学校に送られて来て、
その中にスタッフからの手紙が添えられていた。
「 彼女に日田への想いを伝えています。 」 と書かれてあって、凄くうれしかったのを憶えている。
その手紙と前後して歌われた曲が 「 望郷 」 である。
これは彼女が故郷の日田を想い、覚悟を持って歌詞を書き唄ったものである。
あれから随分と時が流れたが、 彼女の 「 サヨナラの鐘 」 や 「 望郷 」 はもちろん、
「 ヨコハマ 」 「 横浜から 」 「 いま美酒をてのひらで 」 などの歌が特に好きで、今でもよく聴いている。