「 九州 ・ 沖縄 ぐるっと探訪 」

九州・沖縄・山口を中心としたグスク(城)、灯台、石橋、文化財および近代土木遺産をめぐる。

バタバタ・ハラハラしたタクシーの想い出 「 小松島競輪場 」

2017-08-06 00:09:39 | お題




3コーナーの裏側に立つ選手宿舎から見た競輪場








1コーナーから2コーナーの裏側に木材加工所がある








ホームストレッチにあるメインスタンド








選手管理棟の向こうから朝陽が昇る








宿舎の裏にある小松島港に入る船








小松島港








次回出走選手の自転車






今回のお題は 「 タクシーでイライラしたことは? 」 だが、
イライラしたというよりもバタバタ・ハラハラした想い出である。

その昔、徳島県の小松島競輪場によく参加していた。
優勝レースに出走すると、
車券の締め切り時間を延長して発走時間が遅れていた。
それでなくても、飛行機の出発時間がギリギリだったので、
ゴールしたらそのまま敢闘門から選手の通用門を通って、
家路を急ぐ多くのファンの間を縫うように
小松島市役所に待機させたタクシーまでレーサーを漕いで行っていた。
もちろん、敢闘門付近でユニホームとヘルメットカバーを脱いで来るのだが、
ヘルメットもレーサーパンツもレーサーシューズもそのままである。
前輪と後輪を外して、タクシーのトランクに詰めて、そのまま空港へ直行である。
タクシーの中で汗を拭き拭きトレパンに着替え、
空港に着いたら、後輩たちが自転車を輪行バックに詰め、
その間に搭乗手続きをするという、レースよりもハードな行程であった。

飛行機を利用しなくなってから、JRの南小松島駅を利用していたが、
最終レースが終わってからタクシーで場内の駐車場から出るまで時間がかかり、
輪行バックを押して駅まで行った方が速かったような気がする。


小松島競輪場は1周400mの走路で、直線の長さは標準的だが、
かつて500mバンクだったものを改修した名残で、
カントがやや緩いのが特徴である。
バックストレッチ側の選手管理棟の裏が岸壁という
全国の競輪場で最も海に近い立地となっているため、
常に海風の影響に対する注意が必要となっていた。
目の前を通過する選手が強風でヨレヨレするほど、
風の強さは ” ただ者 ” ではなかった。
朝のうちは風向きが逆方向から吹いて来て、
1コーナーから2コーナーにかけて
木材加工工場のラワン材の匂いがいつも漂っていた。

別府、豊橋など海に近い競輪場も風が強かったが、
この小松島競輪場ほど強くなかった。
とにかく小松島競輪場は日本一風が強い競輪場で有名だった。
特にバックストレッチの向かい風は強烈で、
普段のラップタイムよりも1秒ほど時計を要した。
その強風ゆえに、選手間で嫌がられた競輪場でもあった。

さらに競輪場までのアクセスも悪く、賞金も一番安い競輪場だったため、
小松島のあっ旋にが来ると、困ったことを皮肉って、
選手仲間から 「 困った島競輪 」 と言われていた。
そんな 「 困った島競輪 」 の成績は、優勝こそなかったものの、
コンスタントに優勝戦にコマを進めていた。
たしか初参加した時の成績は ② ➁ ❸ で、優勝3着だった。

車券の売上減少に悩む小松島競輪場は、
毎回、廃止になる競輪場の候補に挙がっていたが、
施工者の努力と熱意でそれをクリアし続けている。

風が強くて嫌がられた競輪場であったが、
その名物の強い風の吹く競輪場をいつまでも遺して行ってほしいものである。



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