ふむ道,小道,数多く

趣味いろいろ。2014/9に別ブログを合体したので、渾然一体となってしまいました(笑)

So-netブログさん絶不調

2006-06-14 23:24:34 | 雑談
So-netブログさんに全くアクセスできない状態なので,こっちのブログに書いちゃいます。私のSo-netのブログの方をご覧になっていらっしゃる皆様,大変申し訳ないです。ここ数日,サーバーメンテナンス終り,これで快適にアクセスできるのかと思ったらトラブルの嵐。So-netさんテンパってますな。OCNさんもgooさんも歩んできた道だ。頑張って!



HoME8 2-III The Black Gate is Closed (番外編)

2006-06-14 23:15:56 | Tolkien・HoME
前にも書きましたが,トールキンさんがLOTRのTTT後半(原書4巻,翻訳版7巻)を書いていたのは,1944年です。この頃,HoMEの著者クリストファーさんは,パイロット訓練(?と書いてあった)の為,南アフリカに滞在していたそうです。トールキンさんは,遠くにいる息子に,オニのようにじゃんじゃん航空便を送りながら,TTTの進捗状況を報告しております。この辺りのいきさつは,HoME8巻だけでなく,The Letters of J.R.R. Tolkienの58番からずーっと続いております。いやもう,驚くほど頻繁に手紙出しておりますよ。まるでブログ。(笑)

ところで,この頃の世界情勢と言えば,第2次大戦,ですが,中でも,ちょうどトールキンさんがだいたいの下書きを書き上げた頃,6月6日は,何と歴史上の大事件,D-Day(ノルマンディ上陸)です。(実はギャムジー改名の危機の顛末は,この事件を挟んでおりましただ(笑))トールキンさんは手紙でこの事について触れていますが,相当どえらい事件だったようですね。う~ん,今で言うと一体何に相当するんだろう? フセイン大統領逮捕の日か?‥‥いやいやまだまだかな。,アフガニスタンをタリバンから開放した日? いや~,どうかな,当時のヨーロッパの人にとっては,きっともっともっと大きな事件だったんだろうなあ。

こんな歴史の大事件を背景に指輪物語が描かれていたという事ですから,何か影響がなかったとは言えないかもしれないですねー。

HoME8 2-III The Black Gate is Closed (1)

2006-06-14 22:25:49 | Tolkien・HoME
クリストファーさんによれば,お父さんの1944年4月23日の手紙では,フロド達はモルドールの門に到着したと書かれていたそうですが,4月26日の手紙では,(何と!)満月に近い日の月の出の時間?(how much later the moon gets up each night when nearing full)と,うさぎのシチューの作り方を知りたいとあるそうです。

‥という事で,この章はその間にあるものですが,お父さんはまだフロド,サムとゴラムにその先何が起きるか知らずに書き進めていたらしいですよ。(クリストファーさんは推測はしない,と書きましたが,ここは珍しく,推測ですね。)

この章は,最初からすらすら進んだようで,ほとんど正式版と変らないようです。しかし,初期のモルドールの入口は,こんなになっていました。

<メモ>
Morannonに至るまで,城壁も壁も石や鉄の柵もない。両側の岩には,オーク達が潜むトンネルや蛆虫の穴が開いていた。。。。
</メモ>

おえっ;

でもこれはすぐに,お馴染みの城壁に囲まれた門に変ったそうです。
‥と,ここで突然みょーな書き込みが。サムが「ギャムジー家のホビットには想像もできないことで。。」と言っている辺りに"Goodchild"と。実は1944年5月31日の手紙(72番)でお父さんはこんな事を言っているそうです。

「SamはSamuelの短縮形ではなくSamwise(古英語でまぬけ(half-wit)の意味(汗;))だ。親父の名前はHamwise(古英語でstay at home)。この階層のホビットはサクソン式の名前を持つ。どうもGamgeeという苗字は好かん。もしお好みならGoodchildに変えようと思うがね。」

(ひ,ひぇ~,Samwiseにはそんな意味があったんですかっ。)

でも,クリストファーさんは,ギャムジー姓は,小作農らしさを感じる名前でちょっとコミカルな感じも出ているので,是非残してくれ,と,嘆願。ほどなくお父さんは以下の返事をくれます。

「お前の言う事には一理あるね。お前の許可なしに名前を換えようなんて思わんよ。しかし,名前を換えるのは,コミカルさを引き出す為でもある。ホビットには皆シャイアに合う英語の名前をつけておけばよかった。ギャムジーは英語っぽくないな。」

ここでお父さんが言っている英語(English)とは,現代英語だけなのか,古英語も含むのか,あるいはイングランド限定なのか,ちょっと定かではありませんが,要は,英語で読んでいる読者に,ピンと来る名前を付けたいな,という事だと思います。翻訳の名人は,原書で使われる言語の上っ面だけに囚われず,自国の文化に合った言葉を探し当てますが,それって原書を書いている本人にとっても,もちろん同じって事ですね。

かくして,ギャムジーは残る事になりましたとさ。

では,下書きの方です。正式版と違いのある所はあまり多くないそうですが,例えば,何故サウロンがミナス・モルグルの方から敵が入ってくる事を恐れてないのかをゴラムが説明した後,彼が「ホビットさんは信じなくてはいけないよ~」と言った事に対してのサムの反応。

<本文>
そうかもしれないな,しかしそう言われてもお前の言う道は上がれねえだよ。そして,当然門前に行って,入ってもいいですかって尋ねるか。だったら,長い道のりを歩くより,ここでそれやった方がましだ。
</本文>

Run!Run!Run!