最初の頃は,まだホビットを足止めしようという意図はなかったそうです。次の下書きで,フロドの有名なセリフ"But those who claim to oppose the Dark Lord would do well not to hinder it."は正式版と同じ位置へ移動。さて,Falbornが,何故ボロミアの死を知っているかとフロドに説明するくだりですが,初期はこうなっていたそう。
フロドは何か「目印」を知らないかと言われ,罠ではないかと恐れながら,
<本文>
「彼が角笛を持っていたのを覚えています。」
「そなたはよく覚えておる。彼に会った者は必ず知っている事だ。ではおそらくそなたはそれを心の目で観る事ができるであろう。その角笛は(東の荒野の)巨大な野牛の角で,銀で装飾され,彼の名前が書かれている(修正→銀の鎖が付いている)。アンドゥインの流れがその角笛を我々に運んでくれてから,おそらく(もっと)7日経っている。これは凶兆だ。ボロミアの父上デネソール殿は悲しんでおられる。角笛は剣か斧で2つに割られているのだ。そして幾つかの破片は海岸にまで流されている‥」
</本文>
(た大将こんな堅っ苦しい言い方してましたっけ? いやしてますよね~(汗))
で,どうやって破片を見つけたかの話(正式版と同じだそうで)の後,
<本文>
「角笛が割れた事は知っているか? 誰がラウロスに投げ,その渦の中に永遠に沈めたのか?」
「いいえ,知りません。仲間の誰もそのような事はしませんし,アラゴルン以外にそのような力を持つ者もおりません。しかしそれが割れた事が凶兆であるとしても,所有者が死んだとは限らないでしょう。」
</本文>
この時点でもまだボロミアのボートは登場していませんね。ゴンドールの人達は,角笛が割れ,破片が海岸に散らばったというだけで,ボロミー殺してます。(汗)
‥しかし,ボロミアをミナス・ティリスに返さないとトールキン父さんが決心した事が,指輪物語を並みのファンタジーとは違う作品に導いた(=映画化を難しくした(笑)),決定的瞬間がついにやってきますよ。
ここへ来て,お父さんの文章は,また,より速く,より読みにくくなっていたそうで(いやな予感を感じていたクリストファーさんの様子が目に浮かぶようです(笑))。
<本文>
「いや,しかし,角笛を捜しているうちに,不思議な事が起きた。アンドゥインの川原で座っていた時,暗がりで川の流れを眺めていたら,悲しげな葦が囁き。。。
</本文>
その(ボートの)記述は正式版の物とほぼ同じ。そして,まだ名前は変わってませんが,ここで突然,Falbornはボロミアの弟に! "It was Boromir my brother, dead."(BBC版のこのセリフがとても印象的だったのを思い出します) クリストファーさん曰く,お父さんは無意識のうちに,あたかも初めから決まっていた役割かのように,決めてしまったかのように思えたそうです。フロドの役割と,ボロミアの運命にいたく興味を持つこのゴンドールの大将は,他に一体誰だと言うのかって。
さて,1944年5月6日の手紙(66番)に実際何が書いてあったかって,もったいないから(笑),もうそのまんま引用します。
フロドは何か「目印」を知らないかと言われ,罠ではないかと恐れながら,
<本文>
「彼が角笛を持っていたのを覚えています。」
「そなたはよく覚えておる。彼に会った者は必ず知っている事だ。ではおそらくそなたはそれを心の目で観る事ができるであろう。その角笛は(東の荒野の)巨大な野牛の角で,銀で装飾され,彼の名前が書かれている(修正→銀の鎖が付いている)。アンドゥインの流れがその角笛を我々に運んでくれてから,おそらく(もっと)7日経っている。これは凶兆だ。ボロミアの父上デネソール殿は悲しんでおられる。角笛は剣か斧で2つに割られているのだ。そして幾つかの破片は海岸にまで流されている‥」
</本文>
(た大将こんな堅っ苦しい言い方してましたっけ? いやしてますよね~(汗))
で,どうやって破片を見つけたかの話(正式版と同じだそうで)の後,
<本文>
「角笛が割れた事は知っているか? 誰がラウロスに投げ,その渦の中に永遠に沈めたのか?」
「いいえ,知りません。仲間の誰もそのような事はしませんし,アラゴルン以外にそのような力を持つ者もおりません。しかしそれが割れた事が凶兆であるとしても,所有者が死んだとは限らないでしょう。」
</本文>
この時点でもまだボロミアのボートは登場していませんね。ゴンドールの人達は,角笛が割れ,破片が海岸に散らばったというだけで,ボロミー殺してます。(汗)
‥しかし,ボロミアをミナス・ティリスに返さないとトールキン父さんが決心した事が,指輪物語を並みのファンタジーとは違う作品に導いた(=映画化を難しくした(笑)),決定的瞬間がついにやってきますよ。
ここへ来て,お父さんの文章は,また,より速く,より読みにくくなっていたそうで(いやな予感を感じていたクリストファーさんの様子が目に浮かぶようです(笑))。
<本文>
「いや,しかし,角笛を捜しているうちに,不思議な事が起きた。アンドゥインの川原で座っていた時,暗がりで川の流れを眺めていたら,悲しげな葦が囁き。。。
</本文>
その(ボートの)記述は正式版の物とほぼ同じ。そして,まだ名前は変わってませんが,ここで突然,Falbornはボロミアの弟に! "It was Boromir my brother, dead."(BBC版のこのセリフがとても印象的だったのを思い出します) クリストファーさん曰く,お父さんは無意識のうちに,あたかも初めから決まっていた役割かのように,決めてしまったかのように思えたそうです。フロドの役割と,ボロミアの運命にいたく興味を持つこのゴンドールの大将は,他に一体誰だと言うのかって。
さて,1944年5月6日の手紙(66番)に実際何が書いてあったかって,もったいないから(笑),もうそのまんま引用します。
A new character come on the scene (I am sure I did not invent him, I did not even want him, though I like him, but there he came walking into the woods of Ithilien): Faramir the brother of Boromir.こんなに「生年月日」がはっきりわかっているキャラクタって他にいたかなあ?(笑)