ふむ道,小道,数多く

趣味いろいろ。2014/9に別ブログを合体したので、渾然一体となってしまいました(笑)

FOTR CD: 2-6: Lothlorien (1)

2006-06-15 23:18:47 | Tolkien・LOTR
HoMEで何度か草稿を見ましたが,モリアを通る時は注意して下さいって言ったでしょう?と嘆くアラゴルンのセリフが冒頭にありますね。これを捻ったのかどうかは知りませんが,映画では何故か,サルマンがガンダルフを「心配」しておりましたね。

山の描写が写実的。使っている言葉もきれいです。トールキンさんて,何か自然に関係ある随筆を描いても,売れる作家になれたかもしれません。そういえば,トールキンさんはプロ並みに絵が上手ですよね。物を観察して表現する能力に長けているんですね。

鏡の湖の水は,「氷のように冷たいから」飲んではいけない? ほ~。ちょっと不思議な理由。でも,よく考えてみると,トールキンさんがこれを書いていた当時の冷蔵庫事情は‥‥。今のような電気冷蔵庫ではなくて,木の箱に氷をどん!と入れておくアレだったのかな? これでも,水を氷のように冷たく冷やす事はできなくはないですが‥,日本みたいに暑い国ではないし,紅茶の国ですから,わざわざ好んで冷たい水を作る必要もなかったのでしょうかね。冷たい水の刺激にも慣れてなくて,体を悪くすると信じられていたのかも‥‥と,1人で勝手に納得する私。(笑)

この辺りでようやく,フロドが怪我をしていたとアラゴルンが思い出し,ミスリルの威力に皆がびっくり。

ギムリがさりげなくフロドをエスコートして歩いているんですね。何か追ってくる足音が聞こえる,と,心配げなフロドに,わざわざ地面にかがんで確認して,そんな音聞こえないよ,さあ,行こう!と言う辺り,温かみがありますね。

ロスロリアンが近づき,ニムロデルについて語るレゴラスのセリフが流れるようで美しいです。

HoME8 2-III The Black Gate is Closed (2)

2006-06-15 23:06:02 | Tolkien・HoME
<本文>
「冗談言っちゃいけないよ。おりこうなホビットさんにならなきゃ。モルドールに入るのはおりこうじゃないよ。でもだんなさんが言うなら行くよ。でも怖い町に入っちゃだめだよ。スメアゴルは知っているよ。」
「何があるんだい?」
「山に入る階段と道だよ。それとトンネル。ずうっと昔にスメアゴルがモルドールから出た道だ。今もあるかな。。」
「見張りはいねえのか!?」サム,ゴラムの目に輝きを見たような気がします。
「いるかもしれないよ。でも試さなきゃ。他に道はないんだよ。」
彼はそれ以上は言いませんでした。彼はキリス・ウンゴルの名を口にできませんでした。ホビット達はその恐ろしい意味を知る由もありません。
</本文>

(ゴラム,私より英語うまいな。(笑))

クリストファーさんによると,この時も,まだお父さんはこれからどうするかはっきり決めていなかったようだとの事。ただ,考えられるのは,ミナス・モルグルで捕まるという話は一瞬却下されていたようですので,ミナス・モルグルをよけてキリス・ウンゴルを上がらせるという事にしようとしていたのかな,という事です。また,ゴラムがフロドをキリス・ウンゴルに誘おうと企む理由を,見張りより蜘蛛の方に狙いを定めていた,という形跡があるそうです。

<Outline>
フロドは決心する。彼らは南へ向う。ゴラムは,十字路まで20リーグ(※1)ほどだと言う。足元にはアンドゥイン。彼らは急いで歩き,3日後,十字路に到着。
月が照らすミナス・イシルを見る。
最初の階段は安全。しかしその後のトンネルは黒くて蜘蛛の巣だらけ。蜘蛛達が彼らを襲う。彼らは消耗しきる。
</Outline>

※1:1リーグ≒3マイル

「月が照らすミナス・イシル」は,正式版では,フロドはミナス・モルグルではなく,ヘンネス・アンヌーンで見る事になりますね。私はたまたま覚えていましたが「Ithil」という言葉がそのまま「月」を意味する言葉として使われておりました。

ところで,数日前,フロド達を南へ向かわせたのは,ボロミアがミナス・ティリスに戻れなくなった事が原因か?と思っていましたが,見事ハズレでしたね。(笑) トールキンさんは,まずは,ゴラムに裏切らせる事を楽しんで?いたのですね。しかも,次の章に出てくるというのに,イシリアンの野伏の,まだ影も形もございませんしねぇ。(笑)

さて,黒門の前でフロド達が隠れている頃,ガンダルフ達はどうしているという記述があるそうですが,これが,下書きの間にいろいろ変っているそうです。最初は,

<メモ>
(キリス・ウンゴルの事を)アラゴルンなら彼らに教えれたかもしれない,ガンダルフなら警告したかもしれない。しかし,その頃ガンダルフはミナス・ティリスのゲートをくぐっており,アラゴルンはたくさんの兵を連れて戦争に向かっていた。
</メモ>

だそうで(汗)

<メモ>
アラゴルンならその名前の恐ろしさを彼らに教えられたかもしれない,ガンダルフなら警告したかもしれない。しかし彼らは,孤独だった。アラゴルンは遠くで絶望的な戦いに臨んでいた。ガンダルフはミナス・ティリスの白い壁の上に立ち,彼らの事を考えていた。
</メモ>

さらに次の下書きでは,ガンダルフは彼らの事を考えていたのは一緒ですが,まだミナス・ティリスには到着していませんでした。

正式版では,ガンダルフはアイゼンガルドにいて,サルマンと話し合いをしていた頃,になっているようですね。

‥という事で,次はいよいよ,うさぎのシチューの章です。

Run!Run!Run!