デカダンとラーニング!?
パソコンの勉強と、西洋絵画や廃墟趣味について思うこと。
 



外国の大きい美術館では特殊なスペースもあったりする。たとえば美術館に対して多大な寄付や寄贈などで貢献をした人のコレクションが、貢献した人の名前でホールやスペースが設けられて作品が展示してあったりする。そのスペースは美術史を基にした系統などは意識されてなく、極端なたとえでは一つの部屋内にボッティチェッリの横にエル・グレコの絵が飾ってあったりするおもしろさがある。
ルーヴルにおいて個人コレクションの展示があるのかは知らないが、それっぽいようなスペースがあった。人は少なく、監視員の人も暇そうにしていた。


左にフランス革命期の画家ジャック・ルイ・ダヴィッドの「ド・ヴェルニナック夫人の肖像」(1798-99))が
右にスペインの画家ゴヤの「ラ・ソラーナ侯爵夫人(カルピオ女伯爵)」(1794-95)が見える

ナポレオンの姿を数多く描いたダヴィッドの絵のほとんどは、フランスの革命期美術やロマン派美術とともにドゥノン翼のグランドギャラリーに展示されているのに、「ド・ヴェルニナック夫人の肖像」だけシュリー館の特別な一室にあったりする。作品は豪華な生活に身をやつした夫人の退廃的なところが、非常によく表れていた。
ゴヤの「ラ・ソラーナ侯爵夫人」…。なんて静かでさみしそうな絵なんだろうと思った。ゴヤは侯爵夫人の死の数ヶ月前に描いたそうだ。侯爵夫人は自分が重い病気であることを自覚していたが、ゴヤは決して理想化することなく死の近い侯爵夫人のありのままを描いた。画像では伝わらないが、これはよく画集でも載っているので、機会があればぜひ見て欲しい。
この部屋には他にロシアのピョートル大帝の肖像も手がけたことのあるジャン・マルク・ナティエの手による貴族の夫人を伝説の女神に見立てた作品があったりした。


カナレット「リアルト橋」



カナレット「救済教会」

18世紀にヴェネツィアで活躍したカナレット(1697-1768)の絵もあった。カナレットというのは通称で、本名はアントニオ・カナルという。
カナレットの絵は明るく詩情豊かで、「現在のヴェネツィアですよ」と言われても、違和感を感じないくらい写真みたいに思えてしまう。理想化された風景を描いたロランの絵画とはまた異なり、カナレットの風景画は旅行パンフレットに用いられてそうな飛行機にさえ乗れば手が届きそうな旅情をくすぐらせる。カナレットの絵を見て、あぁ、ヴェネツィア行きたい!と思う人もいるのではと思う。


(画像をクリックしたら大きい分が表示されます)


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