シャーロット・ブロンテ(妹のエミリー・ブロンテは『嵐が丘』の作者)の『ジェイン・エア』を読んだ。
昔のテレビアニメに登場するような不幸な境遇の薄幸な少女が卓越した自立心でもって成長していく物語。昔のPTAが少年少女に読ませたい物語として、挙げたがるような典型的な作品かもしれない。
19世紀にこの作品が成功した理由としては、特に当時の世相のことを検討するといろんな要素があったのだろうと思う。私は主人公の不幸と幸福が交互にやってくることでマンネリ化を防いだこと、そして読者にあまり深く考えさせない主として事実だけを追っていけば読める内容になっているところが広く親しまれたのではと思う。物語を物語らしく、物語であればこそできる理想を盛り込んでいる、映画にもなりやすい、読者がそこそこ喜ぶような作品といえるかも。
作品の中でとりわけ印象に残るのが、豊かな自然描写だ。現地に行ったら、さぞ美しいところだと感じることだろう。
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