デカダンとラーニング!?
パソコンの勉強と、西洋絵画や廃墟趣味について思うこと。
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奈良行博 著『中国の吉祥文化と道教―祝祭から知る中国民衆の心―』
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/
2014-10-25 01:05:17
『儒教とは何か』
を読んだ後、どうにも頭の片隅に残っていた道教の存在。一般的に日本の仏教は大乗仏教と大乗仏教の一部である密教と道教が混じったものであるというのは聞いたことがあったが、では道教について何か知ってるのかと思いきや正直分からない。で、たまたま見かけた奈良行博 著『中国の吉祥文化と道教』(明石書店)を読んでみた。
この本は中国における旧暦の年中行事の随所に道教俗神が顔を出すことについて、著者が実際に現地を取材したことをふんだんに盛り込んで述べてあり、中国の民衆にとって道教がいかに生活と密着したものなのか、また中国の民衆の道教俗神の信仰と日本のいくつかの地域で見られる道教信仰の共通点とその違いまで具体的かつ分かりやすく書いてある。
本には道教うんぬんの前に旧暦について書かれているのだが、その内容には私自身ショックを受けた。私はあまりにも旧暦なしには考えられない周囲の物事を知らなさ過ぎた。
たとえば、雑学クイズで
・甲子園球場の甲子園というネーミングはどこから来たのでしょう?
・子午線の子午の由来は何でしょう?
という問題が出たとしたら、たぶん昔の人ならなんら躊躇うことなく「甲子」の歳や、干支のことを簡潔に答えるだろう。その理由なんて当然過ぎていちいち説明するのも面倒くさがるかもしれない。
しかし私にはこの本を読むまで十二支と十干の六十甲子の組み合わせについて知らなかったし、十二や十が祝祭の吉祥数であることなどは本当に目からウロコだったのである。
本には旧暦の元日の春節に見られる吉祥、そのすがりの対象になっている道教神の例が出ていた。その内容は興味深いが、とにかく日本人に初詣が大切な行事ならば旧正月が中国人にとっていかに大切な日で、双方の「元日の迎え方」の違いの記述には納得がいった。中国人が日本人の初詣のことを理解し、日本人が春節祭に臨む中国人の心持ちを理解するなら、つまりはアジア諸国であろうが欧米諸国であろうが外国人の心の宝を大事にすれば世の中少しはマシになるように思う。私も正直なところ正念場で他国の価値観を蔑ろにするところが往々にしてあるが、たがいに頭ごなしに「あんたがたの宗教や生活習慣は変です」と言い合っているだけでは何ら進歩はなく物事は一向に進まないというのは分かる。たとえ偽善であろうとも。
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