デカダンとラーニング!?
パソコンの勉強と、西洋絵画や廃墟趣味について思うこと。
 




ルミナリエの開催時期にボストン美術館の至宝展に足を運んだ。


英一蝶(はなぶさいっちょう)≪涅槃図≫(1713)のコピーとの撮影コーナーも






≪涅槃図≫に出てくる動物たちを選ぶことも




これまでに、いくつかの東西の逸品が集められた特別展を鑑賞したが、以前は東洋の展示物についてはいつでも見れるだろうから軽く鑑賞しておこうという、優先順位としては二番目な気持ちで作品を見ていた。しかし、ここ数年、台湾や中国を旅行するようになったり東アジア・東南アジアに関する本を読むようになってからは、アジアの博物品もより丁寧に見るようになっているな、と自分でも思う。
今回の展覧会ではまさかと思うような作品も来ていた。徽宗(きそう)≪五色鸚鵡図鑑≫(1100年ごろ)が来ていて、中国絵画が花開いた北宋時代の皇帝の筆による絵と書にまじまじと見入ってしまった。徽宗については国を文化面で充実させたものの国を軍事的に強くすることはできなかった皇帝、政治家でなく芸術家として生涯を全うしたかったろうことを考えると悲劇の皇帝のように映ってしまうのだが、≪五色鸚鵡図鑑≫を見てもなんだかそのことを感じ取れるようであった。≪五色鸚鵡図鑑≫には鸚鵡の姿のみならず書も付してあり、徽宗独特の書体である痩金体(そうきんたい)も見ることができ、独特のそれも早いタッチで書かれる文字は当時決して真似できなかったろうことも思わせた。
陳容≪九龍図巻≫(1244)の竜の愛嬌のある目には身内や親類が飼っている猫の目を思わせるようなものがあってほほえましかった。若い竜が試練に遭っているのにいちいちカメラ目線をくれる感じというか(笑)。
西洋絵画ではゴッホの作品も来ていたが、ブーダンの作品、そしてジョン・シンガー・サージェントの≪フィスク・ウォレン夫人と娘レイチェル≫(1903)も印象に残った。とくにサージェントの作品は、作品がボストン美術館に所蔵されているというだけでなく、絵がボストンのイザベラ・ガードナー夫人邸で描かれたものであったことも注目し、イザベラ・ガードナー夫人邸は現在美術館として公開されているが、非常に印象深い建物で展示品も目を見張るものが多かったことも思い出した。
神戸市立博物館はリニューアルのために来年2月から二年間ほど休館する。その前に東西の至宝を味わうことができてよかったように思う。

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