10月4~6日、群馬県前橋市に行ってきました。5日の全国大学書道学会で発表をするためです。合わせて、今年から全国大学書写書道教育学会にも加入したので、6日はそこに参加しました。会場はどちらも群馬大学教育学部です。
今回の私の発表は、「平島公方足利義根と近世阿波の書道文化」と題したもので、阿南市那賀川町の阿波公方・民俗資料館の資料や、竹治貞夫氏や村井道明氏の研究内容を全国に紹介したもので、そこに私の書道史的な考察を加えました。
思った以上に反応は良かったので、全国の大学の書道に関わる先生方に徳島の書道に関しての興味を高めてもらうことができたように思います。
この会の最後には、群馬大学名誉教授で、書論研究会の重鎮でもある石田肇先生の「群馬周辺の金石文」という講演をお聞きしました。私の興味ある上野三碑の具体的な話や、今まで知らなかった「山上多重石塔」の拓本を見せて頂き、驚きました。
また日下部鳴鶴の書いた「多胡碑記」拓本も見ました。とても美しい拓本で、鳴鶴の隷書が生かされていました。鳴鶴の碑は多くが楷書ですが、隷書の碑もいくつかあります。書品の高さでいえば、隷書碑の方が評価が高いようです。以前、滋賀県水口市で巌谷一六の頌徳碑を見ましたが、これも鳴鶴が隷書で書いていて、もっと大きな字です。
このほかの先生方や院生の皆様からも様々な発表をお聞きし、参考になった面が多かったです。
今、この会には、母校である信州大学の書道ゼミの先輩が1人、後輩が2人入っていて、年に一度お会いできるのも楽しみにしていることです。また、新たに知り合いになった先生方も多く、帰路は、鳥取大学と滋賀大学の先生と、途中まで同行しました。
飛行機をつかいながら、なかなかたいへんな旅行でしたが、収穫も多かったです。帰りの浜松町の駅で、書を用いた大きな看板が目につきましたので写真を撮っておきました。紹介します。「越」という字をデザイン化しています。