10月17日(月)、24日(月)、大学院文学研究科の文房四宝研究の授業内で、紙漉きをしました。メンバーは、河原さん、高嶋さん、ユーリアさんの3名です。ユーリアさんは、四国大学の提携校であるキルギス共和国のビシケク大学大学院からの留学生で、1年間だけ在籍しています。日本語はほぼマスターしていて、通常の日本人と同様に授業を受けることができます。1回目の10月3日(月)は、紙の歴史と製法に関する講義で、2回目の17日は大学の近辺で採集してきた「カラムシ」の茎や「桑」の枝を煮て、内皮を取り出しました。
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翌週の24日には、石灰水で煮た内皮をハサミで小さく切り、ミキサーにかけて繊維を攪拌してから、一旦布で濾しとり、楮紙や画仙紙とブレンドして、さらに布を付けた木枠で濾しとって引き上げ、紙を作りました。木枠ははがき大と色紙大の2種類を用意しています。
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ベニア板に載せて、雑巾で水分を吸収してからアイロンで乾燥させて完成です。
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様々な道具を用いて、2回の授業でやっと小さな紙が完成しました。紙を作る作業がとても大変なことを知ってもらうことが最大の目的です。普段なにげなく使っている物も、過去の多くの人々の思考錯誤の中から生み出された文化なのです。でも、皆さんはとても楽しそうでした。
この授業は4名の教員によるオムニバス授業で、紙の製作、紙の加工、筆、硯、墨に関する授業を3回ずつ指導します。私の後の3回は田ノ岡先生による、料紙加工の授業です。私は硯の学習でも再登場します。
細かい個人指導も必要なので、大学院の少人数授業でなければできない内容で、しかも様々な観点から学べるので非常に多くの知識や経験を得ることができます。