前記事に続く、年寄りの母の不可思議な話である。
ゴールデンウィークに実家に帰って、買い物に行くと、ショッピングセンターの休憩所にテレビモニターが設置してあった。そこで、競馬の天皇賞を中継していた。
これまで、母も私も競馬などは見たこともなかったし、まるで関心もなかった。
ところが、母はいつになく競馬に関心を持ち、「動物はいいねえ、一生懸命に走る馬を見ると感動するねえ」などと言いだして、そのレースに見いっていた。
私は、たくさんいる馬たちを見ても、どれも同じで区別がつかず、騎手も知らないので、ただ漠然と見ているだけだった。わかるのは10数頭いる黒っぽい馬の中にたった1頭、白い馬が走っていた。しかも、それが最初のうちビリだったが、意外にも最後の方では順位を上げていたので驚いた。
しかし、1位になったのは黒っぽい馬であり、その名は「フェノーメノ」ということが分かったが、その馬が最初どこにいて、どのように順位を上げて行ったかはまるでわからなかったのだ。
1位になったフェノーメノの背中には「天皇賞」と書かれた布がかけられて歩いていて、そこで初めて天皇賞のレースだったということを知った。
そして、テレビは、レースの映像をもう一度放映し始めた。これを見ると、7番のフェノーメノが最初どの位置にいて、どのように追い上げて行ったかが初めてわかるのだ。2位の12番の馬についてもわかる。
ところが、母はさっさと切り上げて移動しようとするのである。もうわかったからいいというのだ。
しかし、私にとっては、実況中継では、わけもわからない馬たちが走っているだけであり、再現を見て初めて馬の区別がつくのだから、再現の方がずっと重要であった。
だが、母は、「まだ見るのかね」などと言って、さっさと移動したいようだった。
母にしたってフェノーメノも他の馬も知らなかったし、馬の一生懸命走る姿がいいなんていうのなら、当然もう一度確かめたいと思うのが普通ではないだろうか?
そもそも、そこで競馬に興味を持って見始めたのは母だったので、この見きりの早さには驚いてしまった。
ちなみに、フェノーメノは昨年の天皇賞も取っており、その名はポルトガル語で、超常現象、怪物と言う意味だそうだ。牝馬。
2009年4月20日生まれ。5歳。青栗毛。北海道生まれ。
ゴールデンウィークに実家に帰って、買い物に行くと、ショッピングセンターの休憩所にテレビモニターが設置してあった。そこで、競馬の天皇賞を中継していた。
これまで、母も私も競馬などは見たこともなかったし、まるで関心もなかった。
ところが、母はいつになく競馬に関心を持ち、「動物はいいねえ、一生懸命に走る馬を見ると感動するねえ」などと言いだして、そのレースに見いっていた。
私は、たくさんいる馬たちを見ても、どれも同じで区別がつかず、騎手も知らないので、ただ漠然と見ているだけだった。わかるのは10数頭いる黒っぽい馬の中にたった1頭、白い馬が走っていた。しかも、それが最初のうちビリだったが、意外にも最後の方では順位を上げていたので驚いた。
しかし、1位になったのは黒っぽい馬であり、その名は「フェノーメノ」ということが分かったが、その馬が最初どこにいて、どのように順位を上げて行ったかはまるでわからなかったのだ。
1位になったフェノーメノの背中には「天皇賞」と書かれた布がかけられて歩いていて、そこで初めて天皇賞のレースだったということを知った。
そして、テレビは、レースの映像をもう一度放映し始めた。これを見ると、7番のフェノーメノが最初どの位置にいて、どのように追い上げて行ったかが初めてわかるのだ。2位の12番の馬についてもわかる。
ところが、母はさっさと切り上げて移動しようとするのである。もうわかったからいいというのだ。
しかし、私にとっては、実況中継では、わけもわからない馬たちが走っているだけであり、再現を見て初めて馬の区別がつくのだから、再現の方がずっと重要であった。
だが、母は、「まだ見るのかね」などと言って、さっさと移動したいようだった。
母にしたってフェノーメノも他の馬も知らなかったし、馬の一生懸命走る姿がいいなんていうのなら、当然もう一度確かめたいと思うのが普通ではないだろうか?
そもそも、そこで競馬に興味を持って見始めたのは母だったので、この見きりの早さには驚いてしまった。
ちなみに、フェノーメノは昨年の天皇賞も取っており、その名はポルトガル語で、超常現象、怪物と言う意味だそうだ。牝馬。
2009年4月20日生まれ。5歳。青栗毛。北海道生まれ。