昔は書類の点検をするのに、すべて自分の目で読んで調べていた。読むものは紙の書類だった。
今も、読むのは紙の書類だが、もともとワードで打って作成した文書なので、パソコンのデータも利用している。読むのはやはり紙のほうが目も疲れないし、読みやすいのである。
パソコンでは、最近は便利な校正ツールというものができて、そのツールが、誤記などを見つけてくれるようになっている。表記のゆれなども検出できる。
また、二つの文書を並べて、同じかどうかを判別するソフトもある。そうすると、相違する部分のみに色がついたりする。これがあれば、いちいち全部を読み比べたり、照らし合わせたりする必要もなく、一瞬にして判別できるのである。
今日は、以前一度自分が点検した書類を、もう一度最終的にチェックするという仕事があった。実はこの書類、1か月ほど前に私が書類をチェックしたとき、ワードのデータが手元になかったのである。書類を作った担当者が休みかなんかで居なかったので、データがもらえず、校正ツールを使うことができなかったので、原始的な方法で点検をした。つまり、人間の力のみ、昔ながらの方法で校正をした。
で、今日は、データがあったので校正ツールにかけてみた。そうしたら、なんと、出るは出るは、ボロボロと脱字や誤記が検出された。
これには、かなりショックを受けた。どれだけ見逃しているんだろうか?全く、自分の能力があてにならない。
昔、こんなふうに誤字脱字を見逃していたら、上司に呼び出されて、大目玉をくらったものである。校正ツールに頼っているので、自分で発見する力がなくなってしまったのかもしれない。
校正ツールが使えないときは、気合いを入れて読むようにしているのだが、気合いを入れたからといって、完璧な仕事ができるわけではないのだ。
話は変わるが、現在、自動車の自動運転装置が開発されている。ハンドルを回す必要もなくなり、ブレーキやアクセルも自動的に操作されるようになるようだ。
運転も、常日頃こういうものに頼っていたら、きっと自力でまともな運転はできないようになるだろう。
自動運転は、人間にはできない能力を簡単に補うものでもあるのかもしれないが、逆に人間の能力でしか判断できない部分もあるはずではある。そして、自動運転装置をあてにしていたら、人間の運転能力が低下することは必須だ。
これから、人間と機械に、どんな変化が起きるんだろうか?
校正ツールがさらに発達すれば、私は書類点検の仕事からお払い箱になるかもしれない。車の自動運転が発達すれば、無人タクシーなんかが出現するかも。乗り合いバスも、ワンマンどころか無人バスになったりして。