この旅行で、小樽の運河はとてもきれいで風情があり、1押しの観光スポットであった。
そこで人気のある運河クルーズだが、平日でもあったので予約をしないで乗れるという話だった。
だから楽観していたのだが、小樽に到着した日の午前中に乗り場に行ってみると、かなりの人が行列になっており、昼までの便はすべて満席だとのこと。
ではそのあとのチケットを買おうとしたら、なんと強風のために運行が中止になるという。
4時以降の便は再開するとのことで、4時にしようか5時にしようかと迷った。
夜になると夜景がきれいであるが、写真を写したり景色を眺めるのは明るいほうが良いと思っていた。夕方は中途半端に薄暗くなるかもしれないとも思った。北海道は東にあるので、早く夜が明けて、早く日が沈むはずだ。
でも、遅くなると夕飯の時間などもあるから、やっぱり4時にしようということになり、午前中に4時のチケットを買っておいた。
それから、ウォール街や商店街や運河の遊歩道などを散策して、午後3時頃にクルーズの乗り場を通りかかった。
すると、なんと4時のクルーズは中止だと言う表示が出ているではないか。5時は運行するとのこと。
窓口に行ってみると、係りの人が居て、その人の話し方で中国人だということがわかった。午前中にチケットを売った日本人とは違う人だった。
4時のチケットを買ってあるが、運航中止とのことでどうしたらいいのか?5時に変更できるか?と聞くと、5時はもう満席なのだそうである。もう別の時間帯のチケットに変更することはできない。
では、4時のチケットは払い戻してくれますか、と聞くと、2週間後に返金するとのこと。
ええっ?さっき現金でチケットを買ったのに、なんで2週間後に返金なのか。
これは納得できない。
今現金で返してもらうことはできないのか?そちらの都合で運行できなくなったのに2週間後とはおかしいのではないか?と言うと、どうやら私たちが現金で買ったのではなく、クレジットカードや電子マネーで購入したものだと思い込んでいたらしい。
現金で買ったのなら今すぐ返金できますということで、すぐに返金してくれた。
現金で買ったかそうでなかったかを確認もしないで2週間後返金と決めてかかるのも、中国人らしいと思うのは偏見かもしれないが、日本人だったらまず確認をしそうな気がした。
あるいは、最近は電子マネーやクレジットカードで買うのがポイント等の面で得だから、現金で買う客なんか滅多にいないのだろうか。
それに見ていると、クルーズに行列を作っているのがほとんど若者で、中高年などはいないのである。若者たちは特に現金での買い物はしないのかもしれない。
平日に若者が多いというのは、学生なのかな?
それは、ちょうど全国旅行支援が始まったばかりの日だったかもしれない。
6時以降のクルーズには乗れたのかもしれないが、夫があんな大勢の若者たちばかりの中に入って船に乗るのは嫌だと言い出した。
その晩は小樽に泊まったのだが、翌朝の早い時間に乗る気合もなくなり、クルーズ体験はなくなったのであった。
風が強いと運河クルーズが中止になるというのは、運河から外の海に出ていくので危険だからだそうだ。普通の船ならば問題ない程度でも、運河クルーズの船はボートの大きいような形なので、風に弱いらしい。
実際、運河クルーズがどのようなルートなのか、海に出ていくとは知らなかった。
小樽の運河に沿って街路樹が植わっているが、それらの木が風の力を受けて、どれも斜めに立っているのを見ると、このへんは風の強い地域なのかもしれない。