山本飛鳥の“頑張れコリドラス!”

とりあえず、いろんなことにチャレンジしたいと思います。
と思っていたけど、もうそんな年齢じゃなくなってきた。

「もういちどベートーヴェン」(中山七里)

2020-03-07 01:46:52 | 音楽

たった今「もういちどベートーヴェン」を読み終えた。

これは「どこかでベートーヴェン」の続編だ。

高校生だった天才ピアノ少年、岬洋介が、司法試験に合格し司法修習生になっているが、同僚天羽をきっかけに、一度捨てたピアノの道に戻っていく。

司法でもピアノでも、人並み外れた才能を発揮する。

「どこかでベートーヴェン」でも、ピアノの才能と事件解決の才能を現した岬だったが、「もういちどベートーヴェン」でも同様にふたつの才能を発揮して、物語が展開していく、この小説は見事だ。

そして、ベートーヴェンの曲、今回はまずピアノ協奏曲第5番「皇帝」の演奏場面が出てくる。この曲は有名であるから誰でも聴いたことはある。

それから、ピアノのコンクール予選では「ピアノソナタ32番」。

この曲は私は知らなかった。ユーチューブで聴きながら読んだ。

そして、コンクール本選では「ピアノソナタ21番ワルトシュタイン」。

これは、私は題名は聴いたことがあるが、曲は知らなかった。

これもユーチューブで聴きながら読んだ。

コンクールの場面は昨年見た映画「蜜蜂と遠雷」のシーンを思い出した。

この小説は、今の私にとってとても興味深く楽しめるものだった。

コンクール会場はトッパンホールだって。これは、私がこのまえナタリーシュトゥッツマンの独唱を聴きに行ったところだ。

「皇帝」の演奏会場は、サントリーホール。このホールは音楽のために作られた素晴らしいホールらしいけど、私は行ったことがない。

岬洋介が貸しスタジオでピアノの練習をしているっていうのも、ピアノが手元にない人の行動として、今の私にはよくわかる。

それから、殺された絵本作家の最後の作品「赤ウサギロックンロール」。

赤いうさぎが、自分の色を隠して白うさぎや黒うさぎのふりをして偽って生きていくのをやめたという話。

この作品が、岬洋介が、5年も前に耳を患ってあきらめたピアノの道を、もう一度歩もうとしたことのきっかけにもなったという展開は見事だ。

岬は5年前に同級生鷹村亮の前で「悲愴」を弾いたのを最後にピアノと決別していたが、23歳になって、天生高春によりサントリーホールで皇帝を聴かされ、音楽を呼び覚まされてしまった。

鷹村と天生は、岬の理解者として同じ位置付けだ。

そして、本の後ろのほうをみると<次回「合唱~岬洋介の帰還~」(仮題)をお楽しみに>と書いてある。

もう一度~は昨年4月に発行されているから、次はもう出ているのかこれからなのかな?

このシリーズは「さよならドビュッシー」「いつまでもショパン」などもあり、どれもその曲が作品の中にでてくるのだろうから、面白そうだ。

今回のベートーヴェンでは「どこかで~」のほうは舞台が高校で登場人物も高校生だったが、「もういちど~」のほうでは、司法修習生が主人公であり、検事や裁判官、そして出版社の人、絵本作家・画家などもでてきて面白かった。

久々に、読書を楽しんだ。

深夜、2時半すぎたので寝なくては・・・。

 

 

 

 


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