1つ前の記事に楳図かずおさんの家のことを暢気に書いていたのですが、この家は結局ほとんど使われることがなかったことがわかりました。
外観が派手で、建設途中から「近隣の住宅と調和せず景観を乱す」ということで問題になり、近所の人の理解が得られず、裁判になってしまい、それでも完成して、それから数年後には楳図さんが勝訴したという経緯があります。
それで、勝ったのだから問題ないだろうと私は簡単に考えていましたが、その後色々な記事をネットで探して読んでいると、結局そんな騒動があったので、いくら勝訴しても住みづらく、結局楳図さんはこの家に数日しかいなかったんだそうです。
そもそも暮らすために建てたのではなく、迎賓館のような使い方をしようと思って建てたそうですが、どっちにしても居心地が悪くて、楳図さんは吉祥寺のマンションに住んでいて、この家は使わなかったということでした。
派手な赤白を隠すために、前面には大きな木を茂らせているようにも見えます。
楳図さんという強烈な個性を受け入れることができなかったのかな、とも思いますが、普通に静かに暮らしたい近隣の人々にとっては、自分の住む街がアトラクションのようになってしまうのがいやだったのかもしれません。
また、楳図さんの奇抜な家が建つということで、マスコミが報道したため、色々な人がぞろぞろと見物に来るようになってしまったのも、問題の1つになったのかもしれません。
そういえば、大谷翔平選手が購入した家も、テレビ局などが取材に訪れ世界中に公表してしまい、近所の人も迷惑をこうむったため、結局大谷はその家に住むことができなくなり、売却してしまったということがありました。
大谷翔平の場合とは意味が違うとはいえ、なかなかむずかしい問題です。
では、楳図さんはどういうところだったら、こういうデザインの家を正々堂々と建てることができたのだろうか?
どこかの別荘地とか、周囲に何もないような田舎だったらよかったのかもしれません。
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例えば、近隣には「三鷹天命反転住宅」なんていう奇抜な家もあります。
これは、東八道路沿いで、住宅街にあるわけではないので、何ら問題なく建っているようです。
ただやはりあまり目立たぬように、樹木で隠している感はあります。
楳図さんの家は、使われなかったので近年は廃墟のようになっているとのこと。
もったいないなと思います。
井の頭公園周辺には山本有三記念館なんかもありますが、これは落ち着いたデザインの建物です。
そのそばには、ジブリ美術館もあるし、楳図さんの赤白の家は「まことちゃん美術館」にでもなってほしいなんて思ってしまいますが、やはり閑静な住宅街というところがネックなのでしょう。
楳図さんがお亡くなりになってまだ数日しか経っていないのに、こんなことを書いていたら不謹慎かもしれませんね。
最近「楳図かずお大美術展」が金沢で開催されていたことがわかりました。
東京は2022年に開催されていたようです。
またどこかでやっていたら見に行きたいと思います。
何でも亡くなってから関心を持ち始めたりするものですね。
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