横浜美術館で開催されている「篠山紀信展 写真力」に行ってきました。
篠山紀信が過去から現代に渡って撮ってきた写真が展示されているとのことで、時代が感じられる作品がたくさんあるのだろうと思って出かけて行きました。篠山紀信がどんな写真を撮っているのか、芸術的な写真があるのかなと思っていました。また、ポスターにもあるようにジョンレノンとオノヨーコの写真も何枚かあるのだろうと思っていました。
しかし、行ってみると、一言で言って「なんだ、芸能人の写真か・・・」とう感じ。
昔の有名な俳優や女優や亡くなった人や今も活動している人、アイドル・歌舞伎役者・お相撲さん、等、篠山紀信という人は、「芸能人の写真を撮る人」だったのかあ~と思った次第です。モデルに写真を撮るためのポーズをとってもらって、それを写すというものなので、どちらかというと写真屋さんという感じ。
写真はどれも巨大サイズでした。そして、番号も解説も写真のところには書いてないので、入り口でもらった作品リストと見比べながら写真を見るのですが、なんか位置がよくわからないのです。せめて展示している写真に番号でも付いていればわかりやすのですが・・・。
確かに、有名人の写真は印象深く、三島由紀夫なんかはすごい迫力でした。
しかし、実は私は個人的に芸能人ってそんなに好きじゃなかったのですね。巨大なブロマイドっていうか、そんな感じ。
それに、芸能人についてあんまりよく知らないので、できれば作品のところに撮った年や芸能人の名前などがついていたらよかったです。その芸能人がそのころどんなふうに活動していたとか、そういうことわかるともっと世界が開けたような気がします。
展示室の1つは、「すべての人に知られる有名人」とかいう題名ですが、本当にすべての人に知られているんでしょうか?よくわかりません。
後藤久美子がいっぱい写っているメルヘンっぽい写真や、ディズニーランドにお客さんがいなくてキャラクターたちだけがいる写真は面白かったです。
BODYでは、女優さんのヌードなどが興味深かったのですが、最も印象に残ったのは、ダンサーの裸体の男性が踊っている何枚かの写真でした。人体の筋肉が、ギリシャ等にある彫刻と同じで驚きました。
東日本大震災で被災された人の写真もあるとのことでしたが、カメラに向かって正面を向いている写真ばかりだったので、意外でした。被災地の状況などはあえて写さず、カメラレンズに向かって立って写ってくれる人を写したようです。みんな堂々としていて、前向きに生きていこうという意思が感じられる表情の人ばかりでした。悲惨さ等をあえて表現しないってことなのか。逆に、普通なのが良いのでしょうか。
結局、ジョンレノンとオノヨーコの写真は、入り口の1枚だけでした。
展示室を出て、通路のところには、時代の経過に沿って、出版された写真集等についての展示があり、こちらではいろいろ解ることもありましたが、こっちはこっちでとても小さい展示物でした。
この企画展のあとで横浜美術館コレクション展、「昭和の肖像」~写真でたどる「昭和」の人と歴史~という展示を見ましたが、むしろこっちのほうが興味深い写真が多く、見ごたえがありました。戦後の復興、だんだん豊かになっていく人々の姿などが見てとれました。
いろいろな作家の写真もありました。志賀直哉は、彫りが深くくっきりと整った顔で驚きました。
坂口安吾の部屋が、紙くずやらごちゃごちゃで、ゴミの山の中に蚊取り線香が置いてあったり、びっくりです。
私はこちらの展示が気に入りました。
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